2019年10月8日
学歴について1
在留資格「高度専門職」、「研究」、「教育」及び「技術・人文知識・国際業務」に係る基準省令においては、学歴について、「大学を卒業」、「これと同等以上の教育を受け」又は「日本の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る)。」のいずれかを求める規定があります。
その解釈及び取扱いについては次の通りとなりますが、内容が長くなりますので、本日より3回に分けてご説明します。
1 「大学を卒業し」とは、学士又は短期大学士以上の学位を取得した者を言う。
2 「これと同等以上の教育を受け」とは、次の者が該当する。
(1)大学の専攻科・大学院の入学に関し、大学卒業者と同等であるとして入学資格の付与される機関及び短期大学卒業と同等である高等専門学校の卒業者が該当する。
【参考1】
学校教育法施行規則第155条第1項により、大学(短期大学を除く。以下この項において同じ。)の専攻科又は大学院への入学に関し大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者は、次の各号のいずれかに該当する者である。ただし、⑧及び⑨については、大学院への入学に係るものに限る。
① 学校教育法第104条第4項の規定により学士の学位を授与された者
② 外国において、学校教育における16年(医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程(当該課程に係る研究科の基礎となる学部の修業年限が6年であるものに限る。以下同じ。)又は獣医学を履修する博士課程への入学については、18年)の課程を修了した者
③ 外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより当該外国の学校教育における16年(医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程又は獣医学を履修する博士課程への入学については、18年)の課程を修了した者
④ 我が国において、外国の大学の課程(その修了者が当該外国の学校教育における16 年(医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程又は獣医学を履修する博士課程への入学については、18 年)の課程を修了したとされるものに限る。)を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設であつて、文部科学大臣が別に指定するものの当該課程を修了した者
⑤外国の大学その他の外国の学校(その教育研究活動等の総合的な状況について、当該外国の政府又は関係機関の認証を受けた者による評価を受けたもの又はこれに準ずるものとして文部科学大臣が別に指定するものに限る。)において、就業年限が3年(医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程又は獣医学を履修する博士課程への入学については、5年)以上であるかてを修了すること(当該外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより当該課程を修了すること及び当該外国の学校教育制度において位置付けられた教育施設であって上記④の指定を受けたものにおいて課程を修了することを含む。)により、学士の学位に相当する学位を授与された者
⑥専修学校の専門課程(修業年限が四年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者
⑦文部科学大臣の指定した者
⑧ 学校教育法第102 条第2項の規定により大学院に入学した者であつて、当該者をその後に入学させる大学院において、大学院における教育を受けるにふさわしい学力があると認めたもの
⑨大学院において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、22 歳(医学を履修する博士課程、歯学を履修する博士課程、薬学を履修する博士課程又は獣医学を履修する博士課程への入学については、24歳)に達したもの
長くなりましたので、続きは次回以降ご説明させていただきます。
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2019年10月7日
派遣事業を営む企業等へ就職する外国人について
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(昭和60年法律第88号)(以下本節において「派遣法」という。)に基づき労働者派遣事業を営む企業等へ派遣労働者として就職する者について、入管では次の点を審査されます。
1 派遣法概要について
(1)労働者派遣の意義
自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする(派遣法第2条第1号)。
(2)派遣に係る法的制限
ア 派遣期間
派遣先への派遣期間は原則として1年であり(派遣法第40条の2第2項第2号)、3年まで延長することが可能であるが、労働者の代表(過半数により組織され労働組合又は過半数により選任された代表者)の意見を聴取する義務がある(同条第3項)。期間は、同一業務について通算され、期間を超えて同一の業務を継続する場合、派遣労働者を直接雇用しなければならないこととされている(同法第40条の3から5まで)。
イ 派遣業務
(ア)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令(昭和61年政令第95号)第4条で定める18業務
(注)専門的な知識や技術を要する次の業務をいう。
①ソフトウェア開発業務、②機械設計業務、③事務用機器操作業務、④通訳、翻訳、速記業務、⑤秘書業務、⑥ファイリング業務、⑦調査業務、⑧財務処理業務、⑨貿易取引業務、⑩デモンストレーション業務、⑪ツアーガイド業務、⑫案内・受付、駐車場管理等業務、⑬研究開発業務、⑭事業の実施体制の企画、立案業務、⑮書籍等の製作・編集業務、⑯広告デザイン業務、⑰OAインストラクション業務、⑱セールスエンジニアの営業、金融商品の営業関係の業務
(イ)業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
(ウ)事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であつて一定の期間内に完了することが予定されているもの
(エ)その業務が1か月間に行われる日数が、当該派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数に比し相当程度少なく、かつ、厚生労働大臣の定める日数以下である業務
(オ)当該派遣先に雇用される労働者が労働基準法(昭和22年法律第49号)第65条第1項及び第2項の規定により休業し、並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める場合における当該労働者の業務
(カ)当該派遣先に雇用される労働者が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第2号に規定する介護休業をし、及びこれに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合における当該労働者の業務
(注)医療業務(ただし、紹介予定派遣、出産・育児・介護休業の代替要員、僻地及び社会福祉施設への派遣は可能。)、建設業務、警備業務、港湾業務に労働者を派遣することはできない(特に、警備はそれ自体が派遣同等になる。)。
ウ 再派遣の禁止
派遣社員を派遣先から更に派遣させることはできない。
(3)派遣労働者の分類
ア 常用型派遣
派遣先の有無にかかわらず、派遣業者と雇用契約が結ばれている状態の派遣をいう。「正社員派遣」、「定常型派遣」とも呼ばれる。常用型派遣労働者には、特定労働者派遣事業主に正社員や契約社員として雇用される労働者及び雇用主が一般労働者派遣事業主であっても、正社員や契約社員として雇用されている労働者がある。
イ 登録型派遣
派遣先が存在する時のみに派遣業者と雇用契約の関係が生じる状態の派遣をいう。
(4)労働者派遣事業
ア 特定労働者派遣事業
派遣元に常時雇用される労働者を他社に派遣する形態をいう。一般労働者派遣の業者に比べると、特定の事業所に対し技術者などを派遣する業者が多い。
イ 一般労働者派遣事業
派遣元に常時雇用されない労働者(契約社員)を他社に派遣する形態をいう。臨時・日雇い派遣もこれに該当する。一般的に「派遣会社」にこの形態の事業者が多い。
2 入管での取扱いについて
(1)活動内容
申請人が日本において行おうとする活動は、派遣先において従事しようとする活動に基づき、在留資格該当性を判断する。
(2)活動の継続性
派遣労働者には、上記(3)のとおり常用型派遣と登録型派遣があるところ、原則として常用型派遣であることを要する。ただし、登録型派遣であっても、許可する在留期間内に派遣元との雇用契約に基づき、特定された派遣先において許可する在留資格に係る活動を行うことが見込まれる場合は、登録型派遣であっても差し支えない。
以上、「派遣事業を営む企業等へ就職する外国人」について説明しました。
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2019年10月4日
外国人労働者を雇う際の労働条件について
Q.当社では、外国人の雇用を検討しています。在留資格によっては、雇用主にも条件があるとのことですが、入管ではどのような審査がされるのでしょうか?
A.「技術・人文知識・国際業務」など、雇用するために就労系の在留資格を申請しようとする場合には、雇用を検討している外国人の方が行う予定である職務内容や専門性、その方を雇用する必要性などを審査されます。
また、雇用主の方の事業の安定性・継続性なども審査されます。
1 職務内容・専門性
就労系の在留資格の場合、外国人の方が大学等の学校で学んできたことや、実務として経験したことと、就業先での職務内容との関連性が審査されます。
そこで、外国人の方は学歴を証明する書類(卒業証明書、成績証明書など)や経歴を証明する書類(雇用期間証明書など)を提出し、雇用主の方は外国人の方が行う予定である職務内容を示す書類(事業内容を示す案内書、スケジュールなど)を提出することにより、学歴・職歴と職務内容の関連性を証明することとなります。
2 事業の安定性・継続性
事業が不安定な状態で外国人の方を雇用し、倒産・解雇のような事態になってしまってはいけないため、事業の安定性・継続性が審査されます。
提出書類は、全部事項証明書や決算報告書などですが、会社の規模や状況により異なりますので、詳細につきましてはお問い合わせください。
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2019年10月3日
常勤の職員について
在留資格「経営・管理」、「興行」及び「留学」に係る上陸基準省令において、「常勤の職員」に関する要件が定められています。
内容については次の通りです。
1 職務内容等一般的事項
勤務が、休日その他勤務を要しない日を除き、一定の勤務計画の下に毎日所定の時間中、常時その職務に従事しなければならないものであること。また、職務に応じた給与等が設定されていること。
2 勤務時間等待遇から見た場合
常勤の職員とは、パートタイマーと対比し、次の点に注意して判断されています。
(1)労働日数が週5日以上、かつ、年間217日以上であって、かつ、週労働時間が30時間以上の者(労働基準法第39条、同法施行規則第24 条の3)。
(注)法定労働時間は、1日当たり8時間であり、1週当たり40 時間と設定されている(労働基準法第32条)
(2)入社日を起算点として、6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した職員に対し10日以上の年次有給休暇を与えられること(労働基準法第39条)。
(3)雇用保険の被保険者であり、かつ、一週間の所定労働時間が30時間以上であること。ただし、「短期雇用特例被保険者」(いわゆる「期間工」や「季節労働者」)又は「日雇労働被保険者」となっている者を除く。
3 雇用形態から見た場合
使用者と労働者との間で締結される契約の形態については、直接雇用のほかに「出向」、「派遣」及び「請負」の形態があります。
次の理由から、「出向」のうちの「在籍出向」、「派遣」及び「請負」の形態で業務に従事している労働者は、業務に従事している事業所の常勤の職員と見ることはできません。
(1)出向
労働者が自己の使用者を離れて第三者の下で就労する労働形態を「出向」という。「出向」には、①労働契約上の契約当事者たる地位(従業員としての地位)を出向元会社に残す場合の「在籍出向」と、②労働契約上の契約当事者たる地位(従業員としての地位)を出向先会社に移す場合の「移籍出向」がある。
出向の主要な目的は、関連企業間の人事交流や業務提携、従業員の研修、余剰人員問題処理のための人員調整等様々な理由によるもので、多くの場合、2、3年といった出向期間が明示又は黙示によって定められる。また、出向後の待遇に変化がないような措置がとられることにより労働者の包括的又は個別的な同意を得て行われる。
(注1)「在籍出向」を単に「出向」と呼ぶ場合があるが、ここでは「移籍出向」と区別するため「在籍出向」と呼ぶ。
(注2)「移籍出向」を「転籍」又は「転属」とも呼ぶ。
(注3)労働者が出向する場合の元々雇用されている企業を「出向元」と呼び、出向により新たに勤務することとなる企業を「出向先」と呼ぶ。
ア 在籍出向
出向労働者は、出向元(以下「甲」という。)、出向先(以下、「乙」という。)双方と労働契約関係を有するが、契約上の権利義務が重複するものではなく、単一である労働契約が内容的に二つに割れて、それぞれの契約に属していることとなる。
労働契約内容の分担は、契約の内容により様々であるが、退職や解雇に関する事項については、基本的には出向元が労働契約の当事者となることに代わりはない。このため、乙の下で働く甲からの在籍出向の労働者を乙の「常勤の職員」とすることは不適切である。
イ 移籍出向
甲との労働契約を解消して乙との間に労働契約を成立させるものであり、従業員としての地位が出向先に移転し、一般的に復帰は予定されていないことから労働者の合意はあくまでも当該労働者による個別的な同意があってのみ認められる。当該労働者は、乙との間に一般的、包括的な労働契約関係をもつこととなるため、これを乙の「常勤の職員」とすることが相当である。
(2)労働者派遣
派遣元(以下「丙」という。)の事業主が労働者との雇用契約を維持したままで派遣先(以下「丁」という。)の事業主の指揮命令下で労働させるもので、丁の事業主と労働者との間に雇用関係が存在しないものをいう。この場合、労働者は、丁との間に一切の雇用関係を有していないため、当該労働者を丁の「常勤の職員」とすることは不適切である。
(3)請負
請負については、労働者派遣の場合よりもさらに注文主(以下、「己」という。)と労働者との契約関係は希薄になることから、当該労働者を己の「常勤の職員」とすることは不適切である。
(注)企業間の1年以上継続した請負契約に基づき、工事の一部又は全部を請け負った企業に6か月以上継続的にフルタイムで雇用される者については、己の常勤職員と見る場合がある。これは、建設業・造船業に多く見られる請負契約の重層的な産業構造等の特殊性によるものである。
以上、「常勤の職員」について説明しました。
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2019年10月2日
報酬について
在留資格「経営・管理」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」及び「技能」において、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」との旨の規定があり、在留資格「特定技能」に係る特定技能基準省令において、「日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること」との規定があるほか、在留資格「興行」の基準省令においては月額20万円以上の報酬を要件とする規定があります。
その取扱いについては次のとおりです。
1 報酬の月額は、賞与等を含めた1年間従事した場合に受ける報酬の総額の12 分の1で計算する。
2 報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいい、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く。)は含まない。
3 「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」については、報酬額を基準として一律に判断することは適切ではない。個々の企業の賃金体系を基礎に日本人と同等額以上であるか、また、他の企業の同種の職種の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断する。なお、この場合、外国人が大卒であればその企業の日本人大卒者の賃金を、専門職、研究職であればその企業の日本人専門職、研究職の賃金を参考にする。
(注1)社会保険制度において「報酬」というときは、労務の対価として受ける賃金、給料、俸給、手当又は賞与及びこれに準ずべきもの(臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものを除く。)をいう(健康保険法第2条第1項、厚生年金保険法第3条第1項第3号、船員保険法第3条第1項)。
(注2)労働基準法第11条における「賃金」の定義
「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」
「労働の対償」とは、使用者が使用従属関係にある労働者に対して、その報酬として支払うものをいう。退職金、結婚祝金・見舞金、現物給付としての住宅・食事等、制服・作業衣・旅費等については、その実質が見舞金、恩恵的、福利厚生的なものは、賃金ではない。ただし、労働協約、就業規則、労働契約等で支給条件が明らかなものは、賃金とみなされる。
4 収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動
(1)役務提供が日本内で行われ、その対価として給付を受けている場合は、対価を支給する機関が日本内にあるか否か、また、日本内で支給するか否かにかかわらず、「報酬を受ける活動」となる。ただし、日本外で行われる主たる業務に関連して、従たる業務に従事する活動を短期間日本内で行う場合(例えば、日本へ輸出販売した機械の設置、メンテナンスなどのアフターサービスを行うために短期間滞在する場合、日本内で行われる関連会社間の会議等のために短期間滞在する場合など)に、日本外の機関が支給する対価はこれに該当しない。
(2)「収入を伴う事業を運営する活動」についての解釈も、上記(1)と同様であり、金銭の授受を伴う事業活動の運営を日本内において行っている場合は、これに該当する。ただし、日本外で従事する業務が主たる活動の者が、特別な事情により日本内で従たる活動に短期間従事する場合(例えば、日本内に子会社のある外資系企業の親会社の取締役が、当該子会社の無報酬の代表取締役を兼ねている場合において、主として当該親会社で勤務しているが、大きな商談の締結のために日本に短期間滞在する場合など)については、これに該当しない。
(注)上記(1)又は(2)にいう「短期間」については、単に1回の滞在期間が短期間であっても、中長期的にみて日本に滞在する期間の割合が相当程度ある場合には該当しない。
以上、報酬の説明でした。
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2019年10月1日
公私の機関との契約について
在留資格「高度専門職」、「研究」、「技術・人文知識・国際業務」、「介護」、「技能」及び「特定技能」の在留資格において、「(外国人本人と)日本の公私の機関との契約に基づいて」行われる活動であることが求められます。
今回は、この条件についての説明をします。
日本の公私の機関について
「日本の公私の機関」には、国、地方公共団体、独立行政法人、会社、公益法人等の法人のほか、任意団体(ただし、契約当事者としての権利能力はありません。)も含まれます。また、日本に事務所、事業所等を有する外国の国、地方公共団体(地方政府を含みます。)外国の法人等も含まれます。さらに個人であっても、日本で事務所、事業所等を有する場合は、含まれます。なお、事業主体性を有しない単なる一個人である場合は該当しません。
契約について
「契約」には、雇用のほか、委任、委託、嘱託等が含まれますが、特定の機関(複数でもよいです。)との継続的なものでなければなりません。特定の機関との継続的契約によらない場合には、個人事業主として「経営・管理」に該当する場合があります。
また、「契約」の当事者となり得るのは、自然人や法人格を有する団体に限られることから、たとえ形式上は株式会社の支店等の長が契約書に署名していたとしても、当該支店等の長が当該法人(株式会社)を代理(又は代表)している場合には、法人が契約の当事者であることに留意する必要があります。(個人経営の場合は当該経営者が契約当事者となります。)。
契約に基づく活動は、日本において適法に行われるものであることが必要です。また、在留活動が継続して行われることが見込まれることも必要です。
労働契約の締結に当たっては、使用者は、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を書面で明示しなければならないこととされており(労働基準法第15条第1項)、労働契約には、雇用契約のほか、委任契約や請負も含まれます。
外国人から、「(外国人本人と)日本の公私の機関との契約」を証する資料として、外国の公私の機関と日本の公私の機関が外形上の契約当事者となっている契約書が提出された場合であっても、同契約書の中に、次の(1)~(6)の事項が確認されたときは、「外国人本人と本邦の公私の機関との間に労働契約が成立している」と認められ、「日本の公私の機関との契約に基づいて活動を行う」という要件を満たすものとして取り扱われます。なお、日本の公私の機関との契約に基づくことが法文上の要件となっていない場合において、日本の公私の機関との契約関係があるか否かを判断するに当たっては、上記と同様に取り扱われています。
(1)我が国に入国する者として当該外国人が特定されていること。
(2)当該外国人の使用者たる日本の公私の機関が特定されていること。
(3)日本の公私の機関が当該外国人と「労働契約を締結する」旨明示されていること。
(4)当該外国人の労働条件として、労働基準法施行規則第5条第1項第1号から4号に定める事項が明示されていること。
(5)日本の公私の機関が我が国の労働基準法を遵守する旨明示されていること。
(6)日本の公私の機関が当該外国人に対し賃金を直接支払う旨明示されていること。
以上、日本の公私の機関との契約についての説明でした。
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