2019年5月16日
ここでは、在留資格該当性における「報酬」や、「収入を伴う事業を運営する活動」、「報酬を受ける活動」などについて説明していきます。
前回のブログで説明したとおり、在留資格には、それぞれ「在留資格該当性」というものがあり、在留資格を取得するための条件がいくつかあります。
「報酬」も、その条件に大きく関わってきます。
「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が条件となる在留資格
在留資格のうち、「経営・管理」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」、「介護」に関連する基準省令では、「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」という規定があります。2019年4月の入管法改正によって創設された在留資格「特定技能」に関しても同様です。
また、在留資格「興行」に関連する基準省令では、月額20 万円以上の報酬を要件とする規定があります。
「報酬」について
報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」をいいます。「報酬」には、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償など(課税対象となるものを除く。)は含まれません。
報酬の月額は、賞与等を含めて1年間従事した場合に受ける報酬の総額の12 分の1で計算されます。
「日本人~と同等額以上」とは、報酬額を基準として一律に判断するのではなく、個々の企業の賃金体系を基礎に日本人と同等額以上であるか、また、他の企業の同種の職種の賃金を参考にして日本人と同等額以上であるかについて判断されることになります。
この場合、外国人が大卒であればその企業の日本人大卒者の賃金を、専門職、研究職であればその企業の日本人専門職、研究職の賃金を参考に判断されます。
次に、「収入を伴う事業を運営する活動」「報酬を受ける活動」について説明します。
「短期滞在」など、「収入を伴う事業を運営する活動」、「報酬を受ける活動」を行ってはいけない在留資格があります。そこで、それらの活動の定義が問題となります。
「収入を伴う事業を運営する活動」「報酬を受ける活動」について
役務提供が本邦内で行われ、その対価として給付を受けている場合は、対価を支給する機関が本邦内にあるか、また、本邦内で支給するかにかかわらず、「報酬を受ける活動」となります。
ただし、本邦外で行われる主な業務に関連して、それに付帯する業務活動を短期間本邦内で行う場合(例えば、日本へ輸出販売した機械の設置、メンテナンスなどのアフターサービスを行うために短期間滞在する場合、本邦内で行われる関連会社間の会議等のために短期間滞在する場合など)に、本邦外の機関が支給する対価は含まれません。
「収入を伴う事業を運営する活動」についての解釈も、「報酬を受ける活動」と同様に、金銭の授受を伴う事業活動の運営を本邦内において行っている場合は該当します。
ただし、本邦外で従事する業務が主な活動の者が、特別な事情により本邦内でそれに属する活動に短期間従事する場合(例えば、本邦内に子会社のある外資系企業の親会社の取締役が、当該子会社の無報酬の代表取締役を兼ねている場合において、主として当該親会社で勤務しているが、大きな商談の締結のために本邦に短期間滞在する場合など)については該当しません。
「短期間」については、単に1回の滞在期間が短期間であっても、中長期的にみて本邦に滞在する期間が相当程度の割合がある場合には該当しません。
以上が「報酬」についての説明になります。
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次回は、「常勤の職員」について説明します。