2019年6月21日

在留資格「高度専門職」(Highly Skilled Professional)

「高度専門職」の在留資格について

「高度専門職」は、日本の経済社会における新たな活力の創造、国際競争力の強化などに大きく寄与する高度な知識、技術などを有する「高度外国人材」のための在留資格です。

「高度専門職」の在留資格に該当する「高度外国人材」には、活動制限の緩和、在留期間「5年」、永住許可要件の緩和など、さまざまな出入国管理上の優遇措置が取られます。

「高度専門職」には、「高度専門職1号」と、1号を持って一定期間在留した人が対象となる、「高度専門職2号」があります。

 

1 高度人材ポイント制について

「高度人材外国人」に該当するかどうかは、「高度人材ポイント」によって判断されます。

高度外国人材の活動内容を、「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つに分類し、それぞれの特性に応じて、「学歴」、「職歴」、「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が一定点数(70点)に達した場合に、「高度外国人材」と認められます。

ポイント計算表はこちらをご覧ください。

 

 高度専門職1号

「高度専門職1号」は、活動内容によって、「高度専門職1号イ」「高度専門職1号ロ」「高度専門職1号ハ」の3つの在留資格があります。

(1)該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

「高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合するものが行う以下の次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの

イ  法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動

ロ  法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文化学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と合わせて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動

ハ  法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と合わせて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」

「高度専門職1号イ」が「高度学術研究活動」、「高度専門職1号ロ」が「高度専門・技術活動」、「高度専門職1号ハ」が「高度経営・管理活動」です。

 

(2)基準

ア 申請する人が①ポイント計算表の点数が70点以上であり、②「1号ロ」「1号ハ」の場合は報酬・収入の年額が300万円以上であること

イ 申請する人が日本において行おうとする活動が、以下のいずれかの在留資格の活動に該当すること
「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」

ウ 申請する人が日本において行おうとする活動が、日本の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと

 

3 高度専門職2号

「高度専門職2号」は、「高度専門職1号」の在留資格で3年以上在留した人が対象となります。

2号になると、「イ・ロ・ハ」の区別が無くなり、「1号イ、1号ロ、1号ハ」で行うことができる活動の全てを行うことができ、在留期限が無期限となります。

 

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2019年6月20日

在留資格「教育」(Instructor)

「教育」の在留資格について

「教育」は、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校などの各種学校で語学教師として働く人のための在留資格です。

 

 該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

「本邦の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動」

 

・教育機関に所属する教師が、その教育機関の指示によって一般企業などに派遣されて教育活動をする場合は、在留資格「教育」の活動に含まれます。

・教育機関以外の機関で教育活動をする人は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当します。

・外国の大学の日本分校に採用された人は、学校法人の認可を受けている機関は在留資格「教育」になり、認可を受けていない期間の場合は在留資格「技術・人文知識・国際業務」になります。

・大学、大学院、高等専門学校などで教育をする場合は、在留資格「教授」なります。

 

 1 基準

申請する人、が各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において教育をする活動に従事する場合、又はこれら以外の教育機関において教員以外の職について教育をする活動に従事する場合は、次のいずれにも該当していることが必要です。

(1)次のいずれかに該当していること

ア 大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと

イ 行おうとする教育に必要な技術または知識に関する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了したこと

ウ 行おうとする教育に関する免許を有していること

(2)外国語の教育をしようとする場合は、その外国語により12年以上の教育を受けていること、それ以外の科目の教育をしようとする場合は、教育機関においてその科目の教育について5年以上従事した実務経験を有していること。

(3)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

2 用語の意義

(1)「教員以外の職」とは

教育職員免許法に定める「教育職員」以外の教育を行う職員をいいます。

(2)「教育職員とは」

学校教育法第1条に定める幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校の主幹教諭、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭及び講師をいいます。

(3)「大学」とは

日本の大学のほか、外国の大学も含まれます。

(4)「免許」とは

外国で取得した免許も含まれます。

(5)「外国語の教育を使用とする場合はその外国語により12 年以上の教育を受けていること」とは

例えば、英語の教育に従事しようとする外国人の場合は、英語を使用して行われた教育を12 年以上受けているという意味です。受けた教育内容が、英語又は英語に関係のある科目である必要はありません。

 

3 インターナショナルスクールの教員について

(1)いわゆるインターナショナルスクールの教員については、大学卒業もしくはこれと同程度以上の学歴又は教員免許を有していれば在留資格「教育」に該当します。

(2)「初等教育」とは、小学校及び幼稚園段階における教育のことです。インターナショナルスクールで幼児教育を担当する教員についても「教育」に在留資格該当します。

(3)「中等教育」とは、中学校及び高等学校段階における教育のことです。

 

 

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2019年6月19日

在留資格「企業内転勤」(Intra-company Transferee)

在留資格「企業内転勤」について

在留資格「企業内転勤」は、人事異動によって、外国の事業所から日本の事業所に転勤する人のための在留資格です。

同一企業等の内部で外国の事業所から日本の事業所に一定期間転勤して、「技術・人文知識・国際業務」の活動を行う人が、この在留資格に該当します。

 

 該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

「本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う「技術・人文知識・国際業務」の活動」

1 用語について

(1)「転勤」とは

「転勤」とは、通常は同一会社内の異動のことを指しますが、この在留資格の場合は、系列企業内の出向等も「転勤」に含まれます。

(2)「期間を定めて転勤して」とは

日本の事業所での勤務が一定期間に限られていることを意味します。

 

2 企業内転勤の在留資格に該当する範囲

「企業内転勤」の在留資格は、日本の事業所で「技術・人文知識・国際業務」の活動を行う人が該当します。

つまり、①「自然科学の分野に属する技術又は知識」②「人文科学の分野に属する知識」③「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性」のどれかを必要とする業務を行う人でなければ、「企業内転勤」には該当しません。

 

3 「経営・管理」との関係

企業内で転勤する人が、取締役や支店長など、企業の経営または管理に従事する場合は、「経営・管理」の在留資格になります。

 

4  基準

(1) 転勤の直前に、外国の事業所で「技術・人文知識・国際業務」の業務を1年以上継続して行っていること

※ 必ずしも、転勤後に日本の事業所で従事する業務と同一または関連する業務である必要はありません。

(2) 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

 

 

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2019年6月18日

愛知県国家戦略特別区域「外国人創業活動促進事業」

愛知県では、国家戦略特区の特例措置により、愛知県内で創業を希望する人が、創業活動のための在留資格「経営・管理」(在留期限6か月)が与えられる事業を行っています。

 

特例措置の概要

前回のブログで説明したとおり、在留資格「経営・管理」を取得するためには、通常は、事務所の確保(事業所要件)に加え500万円以上の投資または常勤の職員を2人以上雇用する(事業規模要件)という要件を満たす必要があります。

愛知県では、国家戦略特区の特例措置により、県から「創業活動確認証明書」の交付を受けた場合は、上記の要件が上陸後6カ月間猶予され、在留資格「経営・管理」在留期間6カ月の認定を受けて入国し、創業活動を行うことができます。

1 「外国人創業活動促進事業」の流れ

(1)創業活動の確認申請

創業活動確認を受けようとする人は、入国前に、愛知県に申請書等を提出する必要があります。

ア 提出書類

(ア) 創業活動確認申請書

(イ) 創業活動計画書

(ウ) 履歴書

(エ) 旅券の写し

(オ) 上陸後六か月間の住居を明らかにする書類

(カ) その他必要書類

(2)創業活動を確認証明書の交付

愛知県により、以下の基準を満たしていると認められたときは「創業活動確認証明書」が交付されます。

ア 事業の業種、内容、態様などが適切なものか

イ 授業の計画が適切かつ確実なものか

ウ 事業の規模は適切か

エ 上陸後6カ月以内に事業所愛知県に有することとなる見込みがあるか

(3)名古屋出入国在留管理局に在留資格認定証明書の交付申請

「創業活動確認証明書」の交付を受けたときは、3ヶ月以内に、名古屋出入国在留管理局において在留資格認定証明書交付申請を行います。

 

(4)入国、創業活動

在留資格認定証明書の交付を受けたら、本国に送付し、現地の日本大使館で査証の発給を受け、入国します。

6カ月の在留期間の間に、国内で様々な創業活動を行うことができます。

上陸後は、愛知県により、2か月に1回程度、創業活動計画に関する進捗状況の確認が行われます。

(5)在留期間の更新

6か月の間に事業所要件及び事業規模要件を整え、名古屋出入国在留管理局において在留期間の更新申請を行います。

 

2 対象者

対象者は、愛知県内で新たに事業を始める人です。現在、すでに他の在留資格で日本に在留されている人は、原則としてこの制度を利用できません。

 

3 申請書類を提出できる人

(1)申請する人本人

本人が申請書類を提出する場合は、在留資格「短期滞在」で来日し、提出することになります。

(2)弁護士または行政書士

弁護士または行政書士で、入国管理局から「届出済証明書」の発給を受けている人は、本人から委託を受けている場合、本人の代わりに申請書類を提出することができます。

 

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当法人では、この愛知県国家戦略特別区域「外国人創業活動促進事業」の創業活動確認申請の実績があります。どんなことでもお気軽にお問い合わせください。

2019年6月17日

在留資格「経営・管理」(Business Manager)

「経営・管理」の在留資格について

「経営・管理」は事業の経営・管理業務に従事する人のための在留資格です。

 

該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

「本邦において貿易その他の事業の経営を行い、または当該事業の管理に従事する活動」

1 用語について

(1)「本邦において貿易その他の事業の経営を行い」とは

ア 日本において活動の基盤となる事務所などを開設し、貿易その他の事業の経営を開始して経営を行うこと

イ 日本において既に営まれている貿易、その他の事業の経営に参画すること

ウ 日本に置いて貿易、その他の事業の経営を開始したもの、もしくは日本におけるこれらの事業の経営を行っているものに代わってその経営を行うこと

 

(2)「当該事業の管理に従事する」とは

ア 日本に置いて経営を開始して、その経営を行っている事業または経営に参画している事業の管理に従事すること

イ 日本において貿易その他の事業の経営を開始したもの、もしくは日本におけるこれらの事業の経営を行っている者に代わってその事業の管理に従事すること

 

2 要件

「経営・管理」の在留資格は、申請する人が「経営者」「管理者」となる会社についての要件があります。「管理者」の場合には、申請する人本人にも要件があります(下記(4))。

(1)事業を営むための事業所が日本に存在すること(事業所要件)

(2)事業がある程度の規模であること(事業規模要件)

・原則として「2人以上の常勤職員」か「資本金500万円」が必要です。

(3)事業の継続が可能であること(事業継続性要件)

・すでに存在している会社の場合は決算報告書等を、新設の会社の場合は事業計画書等を提出し、事業の継続可能性を立証します。

・前期が赤字であっても、必ずしも更新不許可になるわけではありません。

(4)申請する人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営または管理について3年以上の経験(大学院において経営または管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること

 

3 ガイドライン

入管は、上記の「事業所要件」について、ガイドラインを出しています。

(1)経済活動が単一の経営主体のもとにおいて一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること

(2)財貨及びサービスの生産又は提供が、人及び設備を有して、継続的に行われていること

・月単位の短期間賃貸スペース等や、容易に処分可能な屋台等の場合は「事業所」と認められません。

・賃貸物件の場合は、①事業用であることを明確にしたうえで法人名義で賃貸すること。②住居用物件を事業所として使用する場合は、貸主が事業用として使用することを認め、事業目的占有の部屋があること。などが必要です。

 

4 2名以上が共同で事業を経営する場合

「経営・管理」の在留資格に該当する活動は、事業の経営又は管理に実質的に参画する者としての活動なので、役員に就任しているということだけでは、「経営・管理」の在留資格に該当するものとはいえません。

2名以上が共同で事業を経営する場合に、それぞれ「経営・管理」の在留資格に該当すると認められるには、以下のような点から判断されます。

(1)事業の規模や業務量等の状況を勘案して、それぞれの人が事業の経営又は管理を行うことについて合理的な理由が認められること

(2)事業の経営又は管理に係る業務について、それぞれの人ごとに従事することとなる業務の内容が明確になっていること

(3)それぞれの人が経営又は管理に係る業務の対価として相当の報酬額の支払いを受けることとなっていること等の条件が満たされている場合

 

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2019年6月14日

在留資格「技能」(Skilled Labor)

「技能」の在留資格について

「技能」は、日本人では代替できない産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を有する人のための在留資格です。

 

該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」

 

1 用語について

(1)「産業上の特殊な分野」とは

ア 外国に特有な産業分野

調理師、建築技術者、外国特融製品の製造・修理を行う人が該当します。

イ 日本の水準よりも外国の技能レベルが高い産業分野

宝石・貴金属・毛皮の加工を行う人、動物の調教師、スポーツ指導者、ワインの鑑定などを行う人が該当します。

ウ 日本では従事する技能者が少数しか存在しない産業分野

石油等の掘削・調査を行う人、航空機の操縦士が該当します。

 

(2)「熟練した技能を要する業務」とは

「個人が自己の経験の集積によって有することとなった熟練の域にある技能を必要とする業務」を意味します。この点で、特別な技能・判断等を必要としない機械的な作業である単純労働と区別されることになります。

 

 2 基準

申請する人が、以下のいずれかに該当し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要です。

(1)調理師

料理の調理または食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務に従事する者で、当該技能について10年以上の実務経験を有するもの

・中国料理、フランス料理、インド料理等の調理師や「点心」、パン、デザート等の食品を製造する調理師やパティシエ等が該当します。

・実務経験については、10年以上の経験が必要ですが、外国の教育機関において、当該料理の調理や食品の製造に係る科目を専攻して教育を受けた期間も含まれます。

・働く場所(レストランなど)の規模や、メニューなども審査の対象になります。屋台で働くとして申請しても不許可になることがあります。また、中華料理の調理師として10年以上の経験を持つ人が、メニューに中華料理が少ないレストランで働くとして申請しても不許可になる可能性が高いです。

 

(2)建築技術者

外国に特有の建築又は土木に係る技能について10年(当該技能を要する業務に10年以上の実務経験を有する外国人の指揮監督を受けて従事する者の場合にあっては、5年)以上の実務経験(外国の教育機関において当該建築又は土木に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

・「外国に特有の建築又は土木に係る技能」とは、例えば、ゴシック、ロマネスク、バロック方式又は中国式、韓国式などの建築、土木に関する技能で、我が国にはない建築、土木に関する技能をいい、枠組壁工法や輸入石材による直接貼り付け工法なども含まれます。

 

(3)外国特有製品の製造・修理

外国に特有の製品の製造又は修理に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該製品の製造又は修理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

・「外国特有の製品」とは、ヨーロッパ特有のガラス製品、ペルシアじゅうたんなど、我が国にはない製品ことをいいます。

 

(4)宝石・貴金属・毛皮加工

宝石、貴金属又は毛皮の加工に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該加工に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

・宝石及び毛皮については、宝石や毛皮を用いて製品を作る過程のみならず、原石や動物から宝石や毛皮を作る過程も含みます。

 

(5)動物の調教師

動物の調教に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において動物の調教に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

 

(6)石油等の採掘・調査

石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質調査に係る技能について10 年以上の実務経験(外国の教育機関において石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質調査に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

 

(7)航空機操縦士

航空機の操縦に係る技能について1,000時間以上の飛行経歴を有する者で、航空法に規定する航空運送事業の用に供する航空機に乗り込んで操縦者としての業務に従事するもの

・機長又は副操縦士として業務に従事できる技能証明を所持する者であっても、1,000時間以上の飛行経歴を有しない者については在留資格「技能」には該当しないことになります。

・「操縦者として業務に従事する」とは、定期運送用操縦士又は事業用操縦士のいずれかの技能証明を有し、機長又は副操縦士として業務に従事するものをいいます。

・航空機関士としての業務は「技術・人文知識。国際業務」の在留資格に該当します。

 

(8)スポーツ指導者

スポーツの指導に係る技能について3年以上の実務経験(外国の教育機関において当該スポーツの指導に係る科目を専攻した期間及び報酬を受けて当該スポーツに従事していた期間を含む。)を有する者もしくはこれに準ずる者で、当該技能を要する業務に従事するもの又はスポーツの選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場したことがある者で、当該スポーツの指導に係る技能を要する業務に従事するもの

「報酬を受けて当該スポーツに従事していた」とは、プロスポーツの競技団体に所属し、プロスポーツ選手として報酬(賞金を含む。)を受けていた者が該当します。

・「その他国際的な競技会」とは、アジア大会などの地域又は大陸規模の総合競技会、アジアカップサッカーなどの競技別の地域又は大陸規模の競技会は該当しますが、2国間又は特定国間の親善競技会等は含まれません。

・「技能」の在留資格に該当するのはアマチュアスポーツの指導者には限りませんが、野球、サッカーなどチームで必要とするプロスポーツの監督、コーチ等でチームと一体として出場しプロスポーツの選手に随伴して入国し在留する活動については「興行」の在留資格に該当します。

 

(9)ワイン鑑定等

ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びにぶどう酒の提供(以下「ワイン鑑定等」という。)に係る技能について5年以上の実務経験(外国の教育機関においてワイン鑑定等に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する次のいずれかに該当する者で、当該技能を要する業務に従事するもの

ア ワイン鑑定等に係る技能に関する国際的な規模で開催される競技会(以下「国際ソムリエコンクール」という。)において優秀な成績を収めたことがある者

イ 国際ソムリエコンクール(出場者が一国につき一名に制限されているものに限る。)に出場したことがある者

ウ ワイン鑑定等に係る技能に関して国(外国を含む。)若しくは地方公共団体(外国の地方公共団体を含む。)又はこれらに準ずる公私の機関が認定する資格で法務大臣が告示をもって定めるものを有する者

 

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2019年6月13日

「特定活動告示」の改正について

2019年5月に、法務省告示「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(「特定活動告示」と呼ばれます。)の一部が改正され、46号と47号が新設されました。

46号は、日本国内の大学や大学院を卒業した外国人で、円滑な日本語での意思疎通が求められる業務を行う人が該当します。47号は、46号の人の配偶者または子が該当します。

以下、46号の「特定活動」について、詳しく解説します。

 

1 該当範囲

本邦の公私の機関との契約に基づいて、当該機関の常勤の職員として行う、当該機関の業務に従事する活動」

2 要件

(1)本邦の大学(短期大学を除く。)を卒業し,又は大学院の課程を修了して学位を授与されていること。

(2)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

(3)日常的な場面で使われる日本語に加え、論理的にやや複雑な日本語を含む幅広い場面で使われる日本語を理解することができる能力を有していることを試験その他の方法により証明されていること(※1)。

(4)本邦の大学または大学院において修得した広い知識及び応用的能力等を活用すると認められること(※2)。

※1 具体的には、①日本語能力試験N1、②BJTビジネス日本語能力テストで480点以上、③大・大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業、のいずれかの場合です。

※2 業務内容に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、または、今後当該業務に従事することが見込まれることが必要です。

 

3 解説

これまで、留学生が日本の企業等で就職する場合、基本的には在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更をする必要がありました。そのためには、大学の専攻内容と業務内容に関連性があり、かつ業務内容が専門的なものであることが求められてきました。そのため、飲食店・小売店等でのサービス業務や製造業務等のいわゆる現業業務がメインである場合には、在留資格の変更が認められてきませんでした。

しかし、企業側においては、語学力と専門的知識を有する留学生を幅広く採用したいというニーズが高まっていました。

そこで、こういった企業側の採用ニーズ及びこれまでの閣議決定等を踏まえ、日本の大学または大学院を卒業・修了した留学生については、大学または大学院において修得した広い知識及び応用的能力等を活用することが見込まれ、日本語能力を生かした業務に従事する場合は、その業務内容を広く認めることとなりました。

 

4 具体的な活動例

この制度によって活動が認められる具体的な例として、出入国在留管理庁から、ガイドラインが以下のとおり公表されています。

ア 飲食店に採用され、店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行うもの(それに併せて、日本人に対する接客を行うことを含む。)。

※ 厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません。

イ 工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの。

※ ラインで指示された作業にのみ従事することは認められません。

ウ 小売店において、仕入れや商品企画等と併せ、通訳を兼ねた外国人客に対する接客販売業務を行うもの(それに併せて、日本人に対する接客販売業務を行うことを含む。)。

※ 商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは認められません。

エ ホテルや旅館において、翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設、更新作業を行うものや、外国人客への通訳(案内)、他の外国人従業員への指導を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの(それに併せて、日本人に対する接客を行うことを含む。)。

※ 客室の清掃にのみ従事することは認められません。

オ タクシー会社に採用され、観光客(集客)のための企画・立案を行いつつ、自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動するもの(それに併せて、通常のタクシードライバーとして乗務することをむ。)。

※ 車両の整備や清掃のみに従事することは認められません。

カ 介護施設において、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、外国人利用者を含む利用者との間の意思疎通を図り,介護業務に従事するもの。

※ 施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは認められません。

 

以上、「特定活動告示」の改正について説明しました。

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2019年6月12日

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(Engineer / Specialist in Humanities / International Services)~2~

前回に引き続き、在留資格「技術・人文知識・国際業務」について説明します。

 

具体的な事例

1 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について

法務省は「技術。人文知識・国際業務」の在留資格で行うことができる業務のうち、典型的な事例を公表しています。

以下、引用します。

○ 本国において工学を専攻して大学を卒業し、ゲームメーカーでオンラインゲームの開発及びサポート業務等に従事した後、本邦のグループ企業のゲーム事業部門を担う法人との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の次期オンラインゲームの開発案件に関するシステムの設計、総合試験及び検査等の業務に従事するもの。

○ 本国において工学を専攻して大学を卒業し、ソフトウェア会社に勤務した後、本邦のソフトウェア会社との契約に基づき、月額約35万円の報酬を受けて、ソフトウェアエンジニアとしてコンピュータ関連サービスに従事するもの。

○ 本国において電気通信工学を専攻して大学を卒業し、同国にある日本の電気通信設備工事業を行う会社の子会社に雇用された後、本邦にある親会社との契約に基づき、月額約24万円の報酬を受けて、コンピュータ・プログラマーとして、開発に係るソフトウェアについて顧客との仕様の調整及び仕様書の作成等の業務に従事するもの。

○ 本国において機械工学を専攻して大学を卒業し、自動車メーカーで製品開発・テスト、社員指導等の業務に従事した後、本邦のコンサルティング・人材派遣等会社との契約に基づき、月額約170万円の報酬を受けて、本邦の外資系自動車メーカーに派遣されて技術開発等に係るプロジェクトマネージャーとしての業務に従事するもの。

○ 本国において工学、情報処理等を専攻して大学を卒業し、証券会社等においてリスク管理業務、金利派生商品のリサーチ部門等に所属してシステム開発に従事した後、本邦の外資系証券会社との契約に基づき、月額約83万円の報酬を受けて、取引レポート、損益データベース等の構築に係る業務に従事するもの。

○ 建築工学を専攻して本邦の大学を卒業し、本邦の建設会社との契約に基づき、月額約40万円の報酬を受けて、建設技術の基礎及び応用研究、国内外の建設事情調査等の業務に従事するもの。

○ 社会基盤工学を専攻して本邦の大学院博士課程を修了し、同大学の生産技術研究所に勤務した後、本邦の土木・建設コンサルタント会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、土木及び建築における研究開発・解析・構造設計に係る業務に従事するもの。

○ 本国において電気力学、工学等を専攻して大学を卒業し、輸送用機械器具製造会社に勤務した後、本邦の航空機整備会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、CAD及びCAEのシステム解析、テクニカルサポート及び開発業務に従事するもの。

○ 電子情報学を専攻して本邦の大学院博士課程を修了し、本邦の電気通信事業会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の研究所において情報セキュリティプロジェクトに関する業務に従事するもの。

○ 本国の大学を卒業した後、本邦の語学学校との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、語学教師としての業務に従事するもの。

○ 経営学を専攻して本国の大学院修士課程を修了し本国の海運会社において、外航船の用船・運航業務に約4年間従事した後、本邦の海運会社との契約に基づき、月額約100万円の報酬を受けて、外国船舶の用船・運航業務のほか、社員の教育指導を行うなどの業務に従事するもの。

○ 本国において会計学を専攻して大学を卒業し、本邦のコンピュータ関連・情報処理会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の海外事業本部において本国の会社との貿易等に係る会計業務に従事するもの。

○ 国際関係学を専攻して本邦の大学院を修了し、本邦の航空会社との契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、語学を生かして空港旅客業務及び乗り入れ外国航空会社との交渉・提携業務等の業務に従事するもの。

○ 本国において経営学を専攻して大学を卒業し、経営コンサルタント等に従事した後、本邦のIT関連企業との契約に基づき、月額約45万円の報酬を受けて、本国のIT関連企業との業務取引等におけるコンサルタント業務に従事するもの。

○ 本国において経営学を専攻して大学を卒業した後、本邦の食料品・雑貨等輸入・販売会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、本国との取引業務における通訳・翻訳業務に従事するもの。

○ 本国において経済学、国際関係学を専攻して大学を卒業し、本邦の自動車メーカーとの契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、本国と日本との間のマーケティング支援業務として、市場、ユーザー、自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理、現地販売店との連携強化等に係る業務に従事するもの。

○ 経営学を専攻して本邦の大学を卒業し、本邦の航空会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、国際線の客室乗務員として、緊急事態対応・保安業務のほか、乗客に対する母国語、英語、日本語を使用した通訳・案内等を行い、社員研修等において語学指導などの業務に従事するもの。

 

2 留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン

法務省は、留学生が「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行った際の、拒否判断において考慮する事項、許可事例・不許可事例などのガイドラインを公表しています。

以下、許可事例を抜粋して引用します。

 

大学を卒業した留学生

(1)工学部を卒業した者が、電機製品の製造を業務内容とする企業との契約に基づき、技術開発業務に従事するもの。

(2)経営学部を卒業した者が、コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、翻訳・通訳に関する業務に従事するもの。

(3)法学部を卒業した者が、法律事務所との契約に基づき、弁護士補助業務に従事するもの。

(4)教育学部を卒業した者が、語学指導を業務内容とする企業との契約に基づき、英会話講師業務に従事するもの。

 

専門学校を卒業した留学生

(1)マンガ・アニメーション科において、ゲーム理論、CG、プログラミング等を履修した者が、本邦のコンピュータ関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、ゲーム開発業務に従事するもの。

(2)電気工学科を卒業した者が、本邦のTV・光ファイバー通信・コンピューターLAN等の電気通信設備工事等の電気工事の設計・施工を業務内容とする企業との契約に基づき、工事施工図の作成、現場職人の指揮・監督等に従事するもの。

(3)建築室内設計科を卒業した者が、本邦の建築設計・設計監理、建築積算を業務内容とする企業との契約に基づき、建築積算業務に従事するもの。

(4)自動車整備科を卒業した者が、本邦の自動車の点検整備・配送・保管を業務内容とする企業との契約に基づき、サービスエンジニアとしてエンジンやブレーキ等自動車の基幹部分の点検・整備・分解等の業務に従事するとともに、自動車検査員としての業務に従事することとなるもの。

(5)国際IT科においてプログラミング等を修得して卒業した者が、本邦の金属部品製造を業務内容とする企業との契約に基づき、ホームページの構築、プログラミングによるシステム構築等の業務に従事するもの。

(6)美容科を卒業した者が、化粧品販売会社において、ビューティーアドバイザーとしての活動を通じた美容製品に係る商品開発、マーケティング業務に従事するもの。

(7)ゲームクリエーター学科において、3DCG、ゲーム研究、企画プレゼン、ゲームシナリオ、制作管理、クリエイター研究等を履修した者が、ITコンサルタント企業において、ゲームプランナーとして、海外向けゲームの発信、ゲームアプリのカスタマーサポート業務に従事するもの。

(8)ロボット・機械学科においてCAD実習、工業数理、材料力学、電子回路、マイコン制御等を履修した者が、工作機械設計・製造を行う企業において、機械加工課に配属され、部品図面の確認、精度確認、加工設備のプログラム作成等の業務に従事し、将来的に部署の管理者となることが予定されているもの。

(9)情報システム開発学科においてC言語プログラミング、ビジネスアプリケーション、ネットワーク技術等を履修した者が、電気機械・器具製造を行う企業において、現場作業用システムのプログラム作成、ネットワーク構築を行うもの。

(10)国際コミュニケーション学科において、コミュニケーションスキル、接遇研修、異文化コミュニケーション、キャリアデザイン、観光サービス論等を履修した者が、人材派遣、人材育成、研修サービス事業を運営する企業において、外国人スタッフの接遇教育、管理等のマネジメント業務を行うもの。

(11)国際ビジネス学科において、観光概論、ホテル演習、料飲実習、フードサービス論、リテールマーケティング、簿記、ビジネスマナー等を履修した者が、飲食店経営会社の本社事業開発室において、アルバイトスタッフの採用、教育、入社説明資料の作成を行うもの。

(12)観光・レジャーサービス学科において、観光地理、旅行業務、セールスマーケティング、プレゼンテーション、ホスピタリティ論等を履修した者が、大型リゾートホテルにおいて、総合職として採用され、フロント業務、レストラン業務、客室業務等についてもシフトにより担当するとして申請があったため、業務内容の詳細を求めたところ、一部にレストランにおける接客、客室備品オーダー対応等「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当しない業務が含まれていたが、申請人は総合職として雇用されており、主としてフロントでの翻訳・通訳業務、予約管理、ロビーにおけるコンシェルジュ業務、顧客満足度分析等を行うものであり、また、他の総合職採用の日本人従業員と同様の業務であることが判明したもの。

(13) 工業専門課程のロボット・機械学科において、基礎製図、CAD実習、工業数理、材料力学、電子回路、プロダクトデザイン等を履修し、金属工作機械を製造する会社において、初年度研修の後、機械の精度調整、加工設備のプログラム作成、加工工具の選定、工作機械の組立作業等に従事するとして申請があり、同社において同様の業務に従事する他の日本人従業員の学歴、職歴、給与等について説明を求めたところ、同一の業務に従事するその他の日本人は、本邦の理工学部を卒業した者であり、また、
同一業務の求人についても、大卒相当程度の学歴要件で募集しており、給与についても申請人と同額が支払われていることが判明したもの。

 

専門学校を卒業し、翻訳・通訳の業務を行うとして申請した留学生

(1)翻訳・通訳学科において、通訳概論、言語学、通訳演習、通訳実務、翻訳技法等を専攻科目として履修した者が、出版社において出版物の翻訳を行うとして申請があったもの。

(2)国際ビジネス学科において、貿易論、マーティング等の経営学に係る科目を中心に履修しているが、ビジネス通訳実務、ビジネス翻訳実務、通訳技巧などの翻訳・通訳に特化した科目を専門科目において履修した者が、商社の海外事業部において、商談の通訳及び契約資料の翻訳を行うとして申請があったもの。

(3)国際教養学科において、卒業単位が70単位であるところ、経営学、経済学、会計学等のほか、日本語、英語、ビジネス文書、ビジネスコミュニケーション等文章表現等の取得単位が合計30単位認定されており、日本語能力試験N1に合格している者が、渉外調整の際の通訳を行うとして申請があったもの。

 

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2019年6月11日

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(Engineer / Specialist in Humanities / International Services)~1~

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格について

「技術・人文知識・国際業務」は、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う

①自然科学の分野(理系の分野)の専門的技術・知識を必要とする業務に従事する人

②人文科学の分野(文系の分野)の専門的技術・知識を必要とする業務に従事する人

③外国人特有の感性を必要とする業務に従事する人

のための在留資格です。

 

該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務又は外国人の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動。」

ただし、このような活動に従事する場合であっても、「教授」、「芸術」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「企業内転勤」、「介護」又は「興行」の活動に該当するときは、これらの在留資格になります。

 

1 活動の内容

(1)「自然科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」

「自然科学」とは、以下のようなものをいいます。

数理科学、物理科学、化学、生物科学、人類学、地質科学、地理学、地球物理学、科学教育、統計学、情報学、核科学、基礎工学、応用物理学、機械工学、電気工学、電子工学、情報工学、土木工学、建築学、金属工学、応用化学、資源開発工学、造船学、計測・制御工学、化学工学、航空宇宙工学、原子力工学、経営工学、農学、農芸化学、林学、水産学、農業経済学、農業工学、畜産学、獣医学、蚕糸学、家政学、地域農学、農業総合科学、生理科学、病理科学、内科系科学、外科系科学、社会医学、歯科学、薬科学

「自然科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」とは、学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であることを示すものであり、上記のような自然科学の分野に属する知識がなければできない業務です。

また、大学等において理科系の科目を専攻して修得した一定の水準以上の専門的知識を必要とするものであって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければなりません。

(2)「人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」

「人文科学」とは、以下のようなものをいいます。

語学、文学、哲学、教育学(体育学を含む。)、心理学、社会学、歴史学、地域研究、基礎法学、公法学、国際関係法学、民事法学、刑事法学、社会法学、政治学、経済理論、経済政策、国際経済、経済史、財政学・金融論、商学、経営学、会計学、経済統計学

「人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」とは、学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であることを示すものであり、上記のような人文科学の分野に属する知識がなければできない業務です。

大学等において文科系の科目を専攻して修得した一定の水準以上の専門的知識を必要とするものであって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければなりません。

(3)「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」

「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」とは、いわゆる外国人特有の感性、すなわち、外国に特有な文化に根ざす一般の日本人が有しない思考方法や感受性を必要とする業務を意味します。

また、「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」といえるためには、外国の社会、歴史・伝統の中で培われた発想・感覚を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とするものでなければなりません。

 

2 基準

申請する人が、以下の「(1)と(3)」または「(2)と(3)」に該当していることが必要です。

(1)

「申請する人が自然科学または人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な知識を修得していること。

イ 当該技術もしくは知識に係る科目を専攻して大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと。

ロ 当該技術もしくは知識に係る科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。

ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該知識に係る科目を専攻した期間を含む。)を有すること。」

つまり、「学歴」か「10年以上の実務経験」が必要になります。

学歴については、以前のブログを確認してください。

 

(2)

「申請する人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。

ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。」

「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」はイに例示列挙されています。

原則として3年以上の実務経験が必要ですが、大学を卒業した人が翻訳、通訳、語学指導の仕事をする場合は、実務経験がなくても認められる場合があります。

 

(3)

「申請する人が日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。」

日本人と同等以上の報酬を受けることが必要になります。

「報酬」については、以前のブログを確認してください。

 

今回は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」について説明しました。

次回も引き続き「技術・人文知識・国際業務」について説明したいと思います。

 

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2019年6月10日

在留資格「定住者」(Long-term Resident)~3~「告示外定住」について

前回の記事では、「定住者告示」によって定められた類型、いわゆる「告示定住」について説明しました。

「定住者告示」に定めはないものの、法務大臣が個々に活動の内容を判断して「定住者」としての在留を認める場合があります。これを「告示外定住」といいます。

「告示外定住」は、法律で規定された要件があるわけではなく「ここに活動の内容を判断」されるのですが、先例などによって、認められる類型はある程度決まっています。

 

 告示外定住の類型

1 認定難民

法務大臣により難民として認定されたものが該当します。

出入国在留管理局(法務大臣)に対して「難民認定申請」を行い、難民として認定された場合は、在留資格「定住者」(在留期間「5年」)を与えられます(「難民」については、また別の機会に詳しく書こうと思います。)。

 

2 特別な事情を考慮して在留を認めることが適当であるもの

(1)日本人、永住者又は特別永住者である配偶者と離婚後引き続き本邦に在留を希望する者

「離婚後定住」と言われる類型です。

次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。

ア 日本で、3年以上正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる

・「3年以上」は、厳密に3年ではなく、だいたい3年くらいであればOKです。

・「正常な婚姻関係・家庭生活」は、通常の夫婦としての家庭生活を営んでいたことをいいます。別居期間があっても、夫婦としての相互扶助、交流が継続していたと認定されればOKとなる場合があります。

イ 生計を営むに足りる資産又は技能を有する

ウ 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有していて、通常の社会生活を営むことが困難ではない

・「日常生活に不自由しない程度の日本語能力」でよいため、日本語試験の合格までは求められません。

エ 公的義務を履行している又は履行が見込まれる

 

(2)日本人、永住者又は特別永住者である配偶者が死亡した後引き続き本邦に在留を希望する者

「死別後定住」と言われる類型です。

次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。

ア 配偶者の死亡までの直前の3年以上、本邦において正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる

イ 生計を営むに足りる資産又は技能を有する

ウ 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有していて、通常の社会生活を営むことが困難となるものではない

エ 公的義務を履行している又は履行が見込まれる

 

(3)日本人の実子を監護・養育する者

「日本人実子養育定住」などと言われる類型です。

次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。

ア 生計を営むに足りる資産又は技能を有する

イ 日本人との間に出生した子を看護・養育していて、次のいずれにも該当する

(ア) 日本人の実子の親権者である

(イ)現に相当期間その実子を監護・養育していることが認められる

・「日本人の実子」とは、嫡出・非嫡出を問わず、子の出生時点においてその父又は母が日本国籍を有している者をいいます。日本国籍であるかは関係ありませんが、日本国籍のない非嫡出子については、日本人父から認知されていることが必要です。

・「監護養育」とは、親権者等が未成年者を監督し、保護することをいいます。

 

そのほか、「婚姻破綻後定住(離婚はしていないけれど婚姻は破綻している場合)」「養子離縁後定住」などの類型もあります。

 

以上、「告示外定住」について説明しました。

 

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