2019年6月17日
「経営・管理」の在留資格について
「経営・管理」は事業の経営・管理業務に従事する人のための在留資格です。
該当範囲
入管法には、以下のように規定されています。
「本邦において貿易その他の事業の経営を行い、または当該事業の管理に従事する活動」
1 用語について
(1)「本邦において貿易その他の事業の経営を行い」とは
ア 日本において活動の基盤となる事務所などを開設し、貿易その他の事業の経営を開始して経営を行うこと
イ 日本において既に営まれている貿易、その他の事業の経営に参画すること
ウ 日本に置いて貿易、その他の事業の経営を開始したもの、もしくは日本におけるこれらの事業の経営を行っているものに代わってその経営を行うこと
(2)「当該事業の管理に従事する」とは
ア 日本に置いて経営を開始して、その経営を行っている事業または経営に参画している事業の管理に従事すること
イ 日本において貿易その他の事業の経営を開始したもの、もしくは日本におけるこれらの事業の経営を行っている者に代わってその事業の管理に従事すること
2 要件
「経営・管理」の在留資格は、申請する人が「経営者」「管理者」となる会社についての要件があります。「管理者」の場合には、申請する人本人にも要件があります(下記(4))。
(1)事業を営むための事業所が日本に存在すること(事業所要件)
(2)事業がある程度の規模であること(事業規模要件)
・原則として「2人以上の常勤職員」か「資本金500万円」が必要です。
(3)事業の継続が可能であること(事業継続性要件)
・すでに存在している会社の場合は決算報告書等を、新設の会社の場合は事業計画書等を提出し、事業の継続可能性を立証します。
・前期が赤字であっても、必ずしも更新不許可になるわけではありません。
(4)申請する人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営または管理について3年以上の経験(大学院において経営または管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
3 ガイドライン
入管は、上記の「事業所要件」について、ガイドラインを出しています。
(1)経済活動が単一の経営主体のもとにおいて一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること
(2)財貨及びサービスの生産又は提供が、人及び設備を有して、継続的に行われていること
・月単位の短期間賃貸スペース等や、容易に処分可能な屋台等の場合は「事業所」と認められません。
・賃貸物件の場合は、①事業用であることを明確にしたうえで法人名義で賃貸すること。②住居用物件を事業所として使用する場合は、貸主が事業用として使用することを認め、事業目的占有の部屋があること。などが必要です。
4 2名以上が共同で事業を経営する場合
「経営・管理」の在留資格に該当する活動は、事業の経営又は管理に実質的に参画する者としての活動なので、役員に就任しているということだけでは、「経営・管理」の在留資格に該当するものとはいえません。
2名以上が共同で事業を経営する場合に、それぞれ「経営・管理」の在留資格に該当すると認められるには、以下のような点から判断されます。
(1)事業の規模や業務量等の状況を勘案して、それぞれの人が事業の経営又は管理を行うことについて合理的な理由が認められること
(2)事業の経営又は管理に係る業務について、それぞれの人ごとに従事することとなる業務の内容が明確になっていること
(3)それぞれの人が経営又は管理に係る業務の対価として相当の報酬額の支払いを受けることとなっていること等の条件が満たされている場合
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