2019年6月26日
在留資格「興行」(Entertainer)
「興行」の在留資格について
「興行」は、エンターテインメントに関する活動に従事する人のための在留資格です。
該当範囲
入管法には、以下のとおり規定されています。
「演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動」
1 用語について
(1)「演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行に係る活動」とは
ア 興行の形態で行われる演劇、演芸、歌謡、舞踊、演奏、スポーツ、サーカスその他のショー等に出演する活動
俳優や歌手、ダンサー、スポーツ選手などが該当します。
イ 出演はしないがこれらの興行を行う上で重要な役割を担う芸能活動
振付師、演出家、プロスポーツチームのコーチなどが該当します。
ウ 出演者が興行を行うために必要不可欠な補助者としての活動
出演者のマネージャー、スタイリスト、演劇の照明係、スポーツ選手のトレーナーなどが該当します。
(2)「その他の芸能活動」とは
「興行の形態で行われるものではない芸能活動」が広く対象となります。
映画監督やデザイナーなどが該当します。
2 基準
(1)申請する人が俳優、ダンサー、歌手など(演劇等)の活動をする場合
ア 本人の要件
申請する人が、以下の要件をいずれかを満たしている必要があります。
(ア) 外国の教育機関において、日本で行う活動に関する科目を2年以上の期間専攻したこと。
(イ) 2年以上の外国における経験を有すること。
イ 報酬について
演劇等の活動をする人の場合には、「月額20万円以上の報酬」という要件があります。
「技術・人文知識・国際業務」などその他の就労系の在留資格の要件である「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬」ではないことに注意が必要です。
ウ 契約する機関について
演劇等の活動をする人の場合には、日本の機関(会社など)と契約する必要があります。
この「日本の機関」には、①外国人の興行に関する業務について3年以上の経験がある経営者または管理者がいること、②5名以上の常勤の職員を雇用していることなどの要件があります。
しかし、外国の民族料理を提供する飲食店において、その外国の民族音楽に関する歌謡、舞踊、演奏などを行う場合は、①や②の要件は必要ありません。
エ 施設について
演劇等を行う施設についても、広さや従業員の数などに条件があります。
オ 例外
公的機関が主催、または資金提供をして行う演劇等の興行など、違法活動の発生のおそれが少ないものについては、例外的にイ~エのような要件を満たす必要はありません。
(2)申請する人が(1)以外の活動をする場合
スポーツ選手、サーカスとしての活動、ダンス選手権のコンテストなどが該当します。
ア 報酬について
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬が必要になります。
イ 具体例
具体的には、以下のようなスポーツ選手が対象になります。
(ア) 日本プロ野球機構に所属する12球団の1軍及び2軍登録選手
(イ) 地区独立リーグに所属する野球選手
(ウ) Jリーグ(J1及びJ2)に所属するサッカーチームの選手
(エ) FCリーグ(フットサル)の一部チームの選手
(オ) Bリーグ(バスケットボール)の選手
(カ) アジアアイスホッケーリーグの一部チームの選手
(キ) ゴルフトーナメントに出場するプロ選手、大相撲力士、興行として行われる試合に出場するボクシングプロ選手、総合格闘技選手、プロレス選手などの個人選手
(3)申請する人が興行に関する活動以外の芸能活動をする場合
ファッションモデル、映画監督、デザイナーなどが該当します。
報酬は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上が必要となります。
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2019年6月25日
在留資格「宗教」(Religious Activities)
「宗教」の在留資格について
「宗教」は、外国の宗教団体から派遣される宗教家のための在留資格です。
該当範囲
入管法には、以下のとおり規定されています。
「外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動」
1 具体的な該当範囲
外国の宗教団体に所属し、その団体から日本において布教等を行うことを目的として派遣された神官、僧侶、司祭、司教、宣教師、伝道師、牧師、神父等としての活動が該当します。
外国の宗教団体に所属していない宗教家であってもその宗教家が信奉する宗教団体から報酬を受けて派遣される場合には「宗教」の在留資格に該当します。
2 「外国の宗教団体」とは
必ずしも特定の宗派の本部であることを要しません。日本に本部のある宗教団体に招へいされる場合であっても、申請する人が国外の宗教団体に現に所属しており、かつ、その団体からの派遣状又は推薦状を受ければ、「外国の宗教団体により」「派遣された」と扱われます。
3 「宗教上の活動」について
(1)所属する宗教団体の運営する施設の職員を兼ねる場合
その施設が教育、社会福祉、祭事に使用する物品の販売等の、宗教活動に密接に関連し、かつ、通常宗教団体が行う事業を目的とする場合に限り、「宗教上の活動」と認められます。
(2)所属する宗教団体またはその宗教団体の運営する施設以外で活動を行う場合
その活動が所属する宗教団体の指示に基づいて宗教活動等の一環として行われるものであり、かつ、無報酬で行われた場合は、「宗教上の活動」と認められます。ただし、報酬を受けて行う場合は、資格外活動の許可が必要になります。
(3)宗教上の活動を行わない者、単なる信者、雑役に従事するために派遣される者等
これらの人の行う活動は「宗教」の在留資格の活動に該当しません。
(4)専ら修業や宗教上の教義等の研修を行う活動
「宗教上の活動」には該当しません。
4 報酬について
「宗教」の在留資格には報酬の要件は規定されていませんが、宗教活動を行うことはもとより、本邦において社会生活をおくることが可能な報酬を得ることが必要です。報酬は、派遣元や日本で活動する宗教団体から支給を受けるもののいずれであっても差し支えありません。
5 「宗教団体」とは
「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする団体をいいます(宗教法人法)。
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2019年6月24日
在留資格「教授」(Professor)
「教授」の在留資格について
「教授」は、大学や大学院などの教授のための在留資格です。
該当範囲
入管法には、以下のとおり規定されています。
「本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動」
1 用語について
(1)「大学」とは
4年制大学、短期大学、大学院、大学の別科、大学の専攻科、大学の付属の研究所のことです。
(2)「大学に準ずる機関」とは
設備、カリキュラム編制が大学と同等である機関や、卒業した人が大学の専攻科、大学院の入学の際に、大学卒業者と同等であるとして入学資格が付与される機関です。
2 該当範囲
具体的には、大学、大学に準ずる機関、高等専門学校で、学長、所長、校長、副学長、副校長、教頭、教授、准教授、講師、助手等として研究、研究の指導又は教育をする活動が該当します。
3 報酬について
「教授」の在留資格については、「日本人と同等以上の報酬」のような規定はありません。
しかし、日本で「教授」の在留資格に該当する活動を行い、その活動によって、安定した生活をおくることのできる十分な収入を得られることが必要です。
「教授」に該当する活動のみでは日本で在留する上で必要な収入を得られない場合は、資格外活動(アルバイトなど)により得られる報酬等も含めて判断されることとなります。
報酬を受けない場合は、「文化活動」や「短期滞在」の在留資格に該当します。
4 在留資格「教育」との違い
同じ教育関係の在留資格である「教授」と「教育」ですが、活動を行う機関(働く場所)によって区別されます。
「教授」・・・「大学」「大学に準ずる機関」「高等専門学校」
「教育」・・・「小学校」「中学校」「高等学校」「専修学校」など
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2019年6月21日
在留資格「高度専門職」(Highly Skilled Professional)
「高度専門職」の在留資格について
「高度専門職」は、日本の経済社会における新たな活力の創造、国際競争力の強化などに大きく寄与する高度な知識、技術などを有する「高度外国人材」のための在留資格です。
「高度専門職」の在留資格に該当する「高度外国人材」には、活動制限の緩和、在留期間「5年」、永住許可要件の緩和など、さまざまな出入国管理上の優遇措置が取られます。
「高度専門職」には、「高度専門職1号」と、1号を持って一定期間在留した人が対象となる、「高度専門職2号」があります。
1 高度人材ポイント制について
「高度人材外国人」に該当するかどうかは、「高度人材ポイント」によって判断されます。
高度外国人材の活動内容を、「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つに分類し、それぞれの特性に応じて、「学歴」、「職歴」、「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が一定点数(70点)に達した場合に、「高度外国人材」と認められます。
ポイント計算表はこちらをご覧ください。
2 高度専門職1号
「高度専門職1号」は、活動内容によって、「高度専門職1号イ」「高度専門職1号ロ」「高度専門職1号ハ」の3つの在留資格があります。
(1)該当範囲
入管法には、以下のように規定されています。
「高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合するものが行う以下の次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって、我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの
イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導若しくは教育をする活動
ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文化学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と合わせて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動
ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と合わせて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動」
「高度専門職1号イ」が「高度学術研究活動」、「高度専門職1号ロ」が「高度専門・技術活動」、「高度専門職1号ハ」が「高度経営・管理活動」です。
(2)基準
ア 申請する人が①ポイント計算表の点数が70点以上であり、②「1号ロ」「1号ハ」の場合は報酬・収入の年額が300万円以上であること
イ 申請する人が日本において行おうとする活動が、以下のいずれかの在留資格の活動に該当すること
「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「技能」
ウ 申請する人が日本において行おうとする活動が、日本の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと
3 高度専門職2号
「高度専門職2号」は、「高度専門職1号」の在留資格で3年以上在留した人が対象となります。
2号になると、「イ・ロ・ハ」の区別が無くなり、「1号イ、1号ロ、1号ハ」で行うことができる活動の全てを行うことができ、在留期限が無期限となります。
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2019年6月20日
在留資格「教育」(Instructor)
「教育」の在留資格について
「教育」は、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校などの各種学校で語学教師として働く人のための在留資格です。
該当範囲
入管法には、以下のように規定されています。
「本邦の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動」
・教育機関に所属する教師が、その教育機関の指示によって一般企業などに派遣されて教育活動をする場合は、在留資格「教育」の活動に含まれます。
・教育機関以外の機関で教育活動をする人は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当します。
・外国の大学の日本分校に採用された人は、学校法人の認可を受けている機関は在留資格「教育」になり、認可を受けていない期間の場合は在留資格「技術・人文知識・国際業務」になります。
・大学、大学院、高等専門学校などで教育をする場合は、在留資格「教授」なります。
1 基準
申請する人、が各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において教育をする活動に従事する場合、又はこれら以外の教育機関において教員以外の職について教育をする活動に従事する場合は、次のいずれにも該当していることが必要です。
(1)次のいずれかに該当していること
ア 大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと
イ 行おうとする教育に必要な技術または知識に関する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了したこと
ウ 行おうとする教育に関する免許を有していること
(2)外国語の教育をしようとする場合は、その外国語により12年以上の教育を受けていること、それ以外の科目の教育をしようとする場合は、教育機関においてその科目の教育について5年以上従事した実務経験を有していること。
(3)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
2 用語の意義
(1)「教員以外の職」とは
教育職員免許法に定める「教育職員」以外の教育を行う職員をいいます。
(2)「教育職員とは」
学校教育法第1条に定める幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校の主幹教諭、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭及び講師をいいます。
(3)「大学」とは
日本の大学のほか、外国の大学も含まれます。
(4)「免許」とは
外国で取得した免許も含まれます。
(5)「外国語の教育を使用とする場合はその外国語により12 年以上の教育を受けていること」とは
例えば、英語の教育に従事しようとする外国人の場合は、英語を使用して行われた教育を12 年以上受けているという意味です。受けた教育内容が、英語又は英語に関係のある科目である必要はありません。
3 インターナショナルスクールの教員について
(1)いわゆるインターナショナルスクールの教員については、大学卒業もしくはこれと同程度以上の学歴又は教員免許を有していれば在留資格「教育」に該当します。
(2)「初等教育」とは、小学校及び幼稚園段階における教育のことです。インターナショナルスクールで幼児教育を担当する教員についても「教育」に在留資格該当します。
(3)「中等教育」とは、中学校及び高等学校段階における教育のことです。
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2019年6月19日
在留資格「企業内転勤」(Intra-company Transferee)
在留資格「企業内転勤」について
在留資格「企業内転勤」は、人事異動によって、外国の事業所から日本の事業所に転勤する人のための在留資格です。
同一企業等の内部で外国の事業所から日本の事業所に一定期間転勤して、「技術・人文知識・国際業務」の活動を行う人が、この在留資格に該当します。
該当範囲
入管法には、以下のように規定されています。
「本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行う「技術・人文知識・国際業務」の活動」
1 用語について
(1)「転勤」とは
「転勤」とは、通常は同一会社内の異動のことを指しますが、この在留資格の場合は、系列企業内の出向等も「転勤」に含まれます。
(2)「期間を定めて転勤して」とは
日本の事業所での勤務が一定期間に限られていることを意味します。
2 企業内転勤の在留資格に該当する範囲
「企業内転勤」の在留資格は、日本の事業所で「技術・人文知識・国際業務」の活動を行う人が該当します。
つまり、①「自然科学の分野に属する技術又は知識」②「人文科学の分野に属する知識」③「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性」のどれかを必要とする業務を行う人でなければ、「企業内転勤」には該当しません。
3 「経営・管理」との関係
企業内で転勤する人が、取締役や支店長など、企業の経営または管理に従事する場合は、「経営・管理」の在留資格になります。
4 基準
(1) 転勤の直前に、外国の事業所で「技術・人文知識・国際業務」の業務を1年以上継続して行っていること
※ 必ずしも、転勤後に日本の事業所で従事する業務と同一または関連する業務である必要はありません。
(2) 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること
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