2019年8月8日
ビザと在留資格の違いと関係性
「ビザ(査証)」と「在留資格」とは違うものであるということを、以前のブログ(1、2)に書きました。
ビザと在留資格は違うものではあるのですが、深く関係しています。
1 ビザと在留資格
まずはおさらいから。
⑴ ビザとは
ビザは、日本政府(大使館や領事館)が「この人が日本に入ってくることを事前にチェックしました。」という証明書です。
⑵ 在留資格とは
在留資格は、日本政府(入管)が「この人は決められた間(在留期間)は日本に滞在することができます。」ということを認めて、与える資格です。
2 ビザの申請において
日本に行きたい外国人は、大使館や領事館でビザの申請をします。
このビザの申請をするときに、「私は、この在留資格で日本に行きたいです。」という申請をすることになります。
観光のために日本に行きたい場合は在留資格「短期滞在」。日本の大学で勉強するために日本に行きたい場合は在留資格「留学」となります。
短期滞在(在留期間15日、30日、90日)以外の在留資格をもらうためにビザを申請する場合には、「在留資格認定証明書」の提出、または「査証事前協議」が必要となります。
これらについては、また別の機会に解説したいと思います。
3 ビザの記載事項
ビザの申請が認められて、ビザが発給された場合は、通常はパスポートに貼付されます。
ビザには、在留資格に関することが記載されています。
⑴ 在留資格
ビザには、「Category」として、在留資格が記載されています。
「短期滞在」ならば「AS TEMPORARY VISITOR」、「留学」ならば「AS STUDENT」と書いてあります。
⑵ 在留期間
また、認められた在留期間も、「For stay(s) of」として、ビザに記載されています。
90日であれば「90 DAYS」、1年間であれば「1 YEAR」と書いてあります。
4 在留資格の付与
前回のブログで書いたとおり、有効なパスポートとビザを持って日本の空港や港に来た場合には、上陸審査を受けます。
この上陸審査を通過したときに、ビザに「Category」として記載された在留資格が、「For stay(s) of」として記載された期間付与されることになります。
以上、ビザと在留資格について説明しました。
名古屋出入国在留管理局の目の前に位置する当事務所「VISA SUPPORT」は、在留資格(VISA)や退去強制に関するお悩みの相談を、初回無料でお受けしております。
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2019年8月6日
「入国」・「上陸」について
1 「入国」と「上陸」
入管法では、「入国」と「上陸」とが区別されています。
⑴ 「入国」とは
日本に「入国する」ということは、日本の領域内に入ることをいいます。
領域とは、領土・領海と、領土・領海の上空である領空のことをいいます。
つまり、飛行機で日本の領空内に入ること、または船で日本の領海内に入ることを「入国」といいます。
⑵ 「上陸」とは
日本に「上陸する」ということは、日本の領土に入ることをいいます。
空港または港で上陸審査を受け、上陸許可を受けることで、「上陸した」「日本の領土に入った」ということになります。
2 上陸手続、上陸審査
上陸手続については、入管法に規定があります。
まず、日本に上陸したい外国人は、空港や港で上陸の申請をします。このとき、有効なパスポートとビザがなくてはいけません(入管法第6条第1項)。
上陸の申請を受けたら、入国審査官は、上陸審査を行います。
上陸審査では、申請をした外国人が「上陸拒否事由」(入管法第5条第1項各号)に該当するかどうかを審査し、該当するときにはは退去命令を出す場合があります。
「上陸拒否事由」は、1年以上の懲役に相当する刑に処せられたことがある、麻薬の取締理に関する法令に違反して刑に処せられたことがある、人身売買に関与したことがある、などです。
「上陸拒否事由」に該当せず、その他の問題もない場合は、無事に日本に上陸することができます。
以上、「入国」・「上陸」について説明しました。
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2019年8月5日
パスポートとビザの概要とその違いについて
1 パスポート(旅券)とは
パスポート(旅券)は、国籍国の政府もしくは政府に相当する公的機関によって交付される、「身分証明書」です。
国籍国から他の国に移動する場合に必要となります。
多くの国のパスポートは、手帳の形状をしており、ビザ(査証)が貼付されたり、出入国日が記載されたスタンプなどが押されたりします。
2 ビザ(査証)とは
ビザ(査証)は、移動先の国の政府もしくは政府に相当する公的機関によって発給される、「入国の事前審査が済んでいることの証明書」です。
通常は、移動先の国の在外公館(大使館、領事館など)で発給されます。
パスポートの中の1ページに貼付されることが多いです。
3 具体的な例
フィリピン人のXさんが、日本に旅行したい場合。
⑴ パスポート(旅券)の交付申請
DFA(フィリピン外務省)の各地方オフィスで、パスポート(旅券)の交付申請をして、パスポートを交付してもらいます。
パスポートは、フィリピン政府が「Xさんはフィリピンの国民である」と証明するものです。
⑵ ビザ(査証)の発給申請
パスポートが交付されたら、在フィリピン日本国大使館(マニラ)などで、ビザ(査証)の発給申請をして、ビザを発給してもらいます。
ビザは、日本政府が「Xさんは日本に入国することに問題のない人である」と証明するものです。
⑶ 日本への上陸
ビザをもらったあと、Xさんは、飛行機や船で日本に行くことになります。
ビザはあくまで「事前審査が済んでいることの証明書」ですので、日本に「上陸」することができるかは、空港・港に到着後の「上陸審査」で決められます。
「上陸許可」を得ることができたら、無事に日本で観光などができるということになります。
以上、パスポートとビザについて説明しました。次回の記事では入国や上陸について説明します。
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2019年8月5日
夏季休業のお知らせ
夏季休業のお知らせ
当法人は、2019年8月13日から8月16日まで夏季休業いたします。
業務再開は8月19日からとなります。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
行政書士法人 VISA SUPPORT
2019年8月2日
愛知県外国人起業活動促進事業
1 愛知県外国人起業活動促進事業の概要について
外国人起業活動促進事業は、外国人起業家の受入れ拡大と起業の促進を目的として、経済産業省から計画の認定を受けた自治体において活用できる制度で、愛知県は、2019年3月26日にその認定を受け、2019年4月1日から、この事業を開始しました。
対象者は愛知県内で起業を志す人で、対象業種はIT分野(情報通信業)、革新的技術・技能の分野に限られます。
2 メリットについて
日本での起業を考えている人が、在留資格「経営・管理」の在留資格を取得するためには、①事務所を確保していること、②会社に500万円以上を投資していることまたは常勤の職員が2人以上いることという要件を満たす必要があります。
この事業を利用する最大のメリットは、上記①②の要件を満たしている必要がなく、事業所の確保や会社の設立をするための準備の期間として在留資格がもらえることです。
3 手続の流れ
日本での起業を考えている人が、愛知県に対して「起業準備活動計画書」やその他の資料を提出します。
愛知県は、1年以内に在留資格「経営・管理」の要件を満たすかどうかの見込みを判断し、見込みがあると判断された場合には「確認書」を交付します。
「確認書」が交付されたら、入国管理局に在留資格の申請を行い、審査をパスした場合には、在留資格「特定活動」(在留期間6月。1回まで更新可能。)が認められます。
4 以前の事業との違いについて
以前のブログでも書いた通り、愛知県では、従来から外国人を対象とした創業活動促進事業を行ってきました。
今回紹介した事業が、従来の事業と大きく異なるところは、留学生など、日本に在留資格を持って在留している人でも利用できるところです。
その代わり、対象分野は、IT分野(情報通信業)、革新的技術・技能の分野に限られています。
以上、2019年4月1日から始まった愛知県外国人起業活動促進事業について説明しました。
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2019年8月1日
退去強制~退去強制令書発布後~
1 退去強制令書が発布されてしまったら
退去強制手続が終了し、「退去強制令書」が発布された後に、日本での在留を希望する場合には、「再審情願」を行うか、行政訴訟を提起する必要があります。
2 「再審情願」について
「再審情願」は、裁決を行った法務大臣や出入国在留管理庁長官、各地方出入国在留管理局長などに対し、その裁決の見直し(再審)を求めるものです。
入管法には再審を求めることができるという規定があるわけではないので、「再審情願」は入管法に基づく正式な手続ではありません。
日本国憲法第16条(請願権)及び請願法に基づく「請願」の一種として行う手続となります。
再審情願は、法務大臣等に応答義務がなく、また、入管が下した最終判断の取消・撤回を求めるものであるので、認められる可能性は限りなく低いものです。裁決時からのなんらかの事情変更、例えば、婚姻や子の出生などを主張し、再審を求めることとなります。
また、再審情願を行っていても、退去強制令書の執行は停止しないため、収容は継続し、送還される場合もあります。
3 行政訴訟について
再審情願は、上記のとおり認められる可能性が低いため、同時に裁判所に対して行政訴訟を提起することがあります。
退去強制令書発布処分の取消訴訟、在留特別許可の義務づけ訴訟などを提起することとなります。
行政書士は、訴訟の代理人となることができないので、当法人にご相談いただいた場合には、提携している弁護士をご紹介することとなります。
以上、退去強制令書発布後の手続、再審情願及び行政訴訟について説明しました。
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