2019年6月12日

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(Engineer / Specialist in Humanities / International Services)~2~

前回に引き続き、在留資格「技術・人文知識・国際業務」について説明します。

 

具体的な事例

1 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について

法務省は「技術。人文知識・国際業務」の在留資格で行うことができる業務のうち、典型的な事例を公表しています。

以下、引用します。

○ 本国において工学を専攻して大学を卒業し、ゲームメーカーでオンラインゲームの開発及びサポート業務等に従事した後、本邦のグループ企業のゲーム事業部門を担う法人との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の次期オンラインゲームの開発案件に関するシステムの設計、総合試験及び検査等の業務に従事するもの。

○ 本国において工学を専攻して大学を卒業し、ソフトウェア会社に勤務した後、本邦のソフトウェア会社との契約に基づき、月額約35万円の報酬を受けて、ソフトウェアエンジニアとしてコンピュータ関連サービスに従事するもの。

○ 本国において電気通信工学を専攻して大学を卒業し、同国にある日本の電気通信設備工事業を行う会社の子会社に雇用された後、本邦にある親会社との契約に基づき、月額約24万円の報酬を受けて、コンピュータ・プログラマーとして、開発に係るソフトウェアについて顧客との仕様の調整及び仕様書の作成等の業務に従事するもの。

○ 本国において機械工学を専攻して大学を卒業し、自動車メーカーで製品開発・テスト、社員指導等の業務に従事した後、本邦のコンサルティング・人材派遣等会社との契約に基づき、月額約170万円の報酬を受けて、本邦の外資系自動車メーカーに派遣されて技術開発等に係るプロジェクトマネージャーとしての業務に従事するもの。

○ 本国において工学、情報処理等を専攻して大学を卒業し、証券会社等においてリスク管理業務、金利派生商品のリサーチ部門等に所属してシステム開発に従事した後、本邦の外資系証券会社との契約に基づき、月額約83万円の報酬を受けて、取引レポート、損益データベース等の構築に係る業務に従事するもの。

○ 建築工学を専攻して本邦の大学を卒業し、本邦の建設会社との契約に基づき、月額約40万円の報酬を受けて、建設技術の基礎及び応用研究、国内外の建設事情調査等の業務に従事するもの。

○ 社会基盤工学を専攻して本邦の大学院博士課程を修了し、同大学の生産技術研究所に勤務した後、本邦の土木・建設コンサルタント会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、土木及び建築における研究開発・解析・構造設計に係る業務に従事するもの。

○ 本国において電気力学、工学等を専攻して大学を卒業し、輸送用機械器具製造会社に勤務した後、本邦の航空機整備会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、CAD及びCAEのシステム解析、テクニカルサポート及び開発業務に従事するもの。

○ 電子情報学を専攻して本邦の大学院博士課程を修了し、本邦の電気通信事業会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の研究所において情報セキュリティプロジェクトに関する業務に従事するもの。

○ 本国の大学を卒業した後、本邦の語学学校との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、語学教師としての業務に従事するもの。

○ 経営学を専攻して本国の大学院修士課程を修了し本国の海運会社において、外航船の用船・運航業務に約4年間従事した後、本邦の海運会社との契約に基づき、月額約100万円の報酬を受けて、外国船舶の用船・運航業務のほか、社員の教育指導を行うなどの業務に従事するもの。

○ 本国において会計学を専攻して大学を卒業し、本邦のコンピュータ関連・情報処理会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の海外事業本部において本国の会社との貿易等に係る会計業務に従事するもの。

○ 国際関係学を専攻して本邦の大学院を修了し、本邦の航空会社との契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、語学を生かして空港旅客業務及び乗り入れ外国航空会社との交渉・提携業務等の業務に従事するもの。

○ 本国において経営学を専攻して大学を卒業し、経営コンサルタント等に従事した後、本邦のIT関連企業との契約に基づき、月額約45万円の報酬を受けて、本国のIT関連企業との業務取引等におけるコンサルタント業務に従事するもの。

○ 本国において経営学を専攻して大学を卒業した後、本邦の食料品・雑貨等輸入・販売会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、本国との取引業務における通訳・翻訳業務に従事するもの。

○ 本国において経済学、国際関係学を専攻して大学を卒業し、本邦の自動車メーカーとの契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、本国と日本との間のマーケティング支援業務として、市場、ユーザー、自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理、現地販売店との連携強化等に係る業務に従事するもの。

○ 経営学を専攻して本邦の大学を卒業し、本邦の航空会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、国際線の客室乗務員として、緊急事態対応・保安業務のほか、乗客に対する母国語、英語、日本語を使用した通訳・案内等を行い、社員研修等において語学指導などの業務に従事するもの。

 

2 留学生の在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可のガイドライン

法務省は、留学生が「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行った際の、拒否判断において考慮する事項、許可事例・不許可事例などのガイドラインを公表しています。

以下、許可事例を抜粋して引用します。

 

大学を卒業した留学生

(1)工学部を卒業した者が、電機製品の製造を業務内容とする企業との契約に基づき、技術開発業務に従事するもの。

(2)経営学部を卒業した者が、コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、翻訳・通訳に関する業務に従事するもの。

(3)法学部を卒業した者が、法律事務所との契約に基づき、弁護士補助業務に従事するもの。

(4)教育学部を卒業した者が、語学指導を業務内容とする企業との契約に基づき、英会話講師業務に従事するもの。

 

専門学校を卒業した留学生

(1)マンガ・アニメーション科において、ゲーム理論、CG、プログラミング等を履修した者が、本邦のコンピュータ関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、ゲーム開発業務に従事するもの。

(2)電気工学科を卒業した者が、本邦のTV・光ファイバー通信・コンピューターLAN等の電気通信設備工事等の電気工事の設計・施工を業務内容とする企業との契約に基づき、工事施工図の作成、現場職人の指揮・監督等に従事するもの。

(3)建築室内設計科を卒業した者が、本邦の建築設計・設計監理、建築積算を業務内容とする企業との契約に基づき、建築積算業務に従事するもの。

(4)自動車整備科を卒業した者が、本邦の自動車の点検整備・配送・保管を業務内容とする企業との契約に基づき、サービスエンジニアとしてエンジンやブレーキ等自動車の基幹部分の点検・整備・分解等の業務に従事するとともに、自動車検査員としての業務に従事することとなるもの。

(5)国際IT科においてプログラミング等を修得して卒業した者が、本邦の金属部品製造を業務内容とする企業との契約に基づき、ホームページの構築、プログラミングによるシステム構築等の業務に従事するもの。

(6)美容科を卒業した者が、化粧品販売会社において、ビューティーアドバイザーとしての活動を通じた美容製品に係る商品開発、マーケティング業務に従事するもの。

(7)ゲームクリエーター学科において、3DCG、ゲーム研究、企画プレゼン、ゲームシナリオ、制作管理、クリエイター研究等を履修した者が、ITコンサルタント企業において、ゲームプランナーとして、海外向けゲームの発信、ゲームアプリのカスタマーサポート業務に従事するもの。

(8)ロボット・機械学科においてCAD実習、工業数理、材料力学、電子回路、マイコン制御等を履修した者が、工作機械設計・製造を行う企業において、機械加工課に配属され、部品図面の確認、精度確認、加工設備のプログラム作成等の業務に従事し、将来的に部署の管理者となることが予定されているもの。

(9)情報システム開発学科においてC言語プログラミング、ビジネスアプリケーション、ネットワーク技術等を履修した者が、電気機械・器具製造を行う企業において、現場作業用システムのプログラム作成、ネットワーク構築を行うもの。

(10)国際コミュニケーション学科において、コミュニケーションスキル、接遇研修、異文化コミュニケーション、キャリアデザイン、観光サービス論等を履修した者が、人材派遣、人材育成、研修サービス事業を運営する企業において、外国人スタッフの接遇教育、管理等のマネジメント業務を行うもの。

(11)国際ビジネス学科において、観光概論、ホテル演習、料飲実習、フードサービス論、リテールマーケティング、簿記、ビジネスマナー等を履修した者が、飲食店経営会社の本社事業開発室において、アルバイトスタッフの採用、教育、入社説明資料の作成を行うもの。

(12)観光・レジャーサービス学科において、観光地理、旅行業務、セールスマーケティング、プレゼンテーション、ホスピタリティ論等を履修した者が、大型リゾートホテルにおいて、総合職として採用され、フロント業務、レストラン業務、客室業務等についてもシフトにより担当するとして申請があったため、業務内容の詳細を求めたところ、一部にレストランにおける接客、客室備品オーダー対応等「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当しない業務が含まれていたが、申請人は総合職として雇用されており、主としてフロントでの翻訳・通訳業務、予約管理、ロビーにおけるコンシェルジュ業務、顧客満足度分析等を行うものであり、また、他の総合職採用の日本人従業員と同様の業務であることが判明したもの。

(13) 工業専門課程のロボット・機械学科において、基礎製図、CAD実習、工業数理、材料力学、電子回路、プロダクトデザイン等を履修し、金属工作機械を製造する会社において、初年度研修の後、機械の精度調整、加工設備のプログラム作成、加工工具の選定、工作機械の組立作業等に従事するとして申請があり、同社において同様の業務に従事する他の日本人従業員の学歴、職歴、給与等について説明を求めたところ、同一の業務に従事するその他の日本人は、本邦の理工学部を卒業した者であり、また、
同一業務の求人についても、大卒相当程度の学歴要件で募集しており、給与についても申請人と同額が支払われていることが判明したもの。

 

専門学校を卒業し、翻訳・通訳の業務を行うとして申請した留学生

(1)翻訳・通訳学科において、通訳概論、言語学、通訳演習、通訳実務、翻訳技法等を専攻科目として履修した者が、出版社において出版物の翻訳を行うとして申請があったもの。

(2)国際ビジネス学科において、貿易論、マーティング等の経営学に係る科目を中心に履修しているが、ビジネス通訳実務、ビジネス翻訳実務、通訳技巧などの翻訳・通訳に特化した科目を専門科目において履修した者が、商社の海外事業部において、商談の通訳及び契約資料の翻訳を行うとして申請があったもの。

(3)国際教養学科において、卒業単位が70単位であるところ、経営学、経済学、会計学等のほか、日本語、英語、ビジネス文書、ビジネスコミュニケーション等文章表現等の取得単位が合計30単位認定されており、日本語能力試験N1に合格している者が、渉外調整の際の通訳を行うとして申請があったもの。

 

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2019年6月11日

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(Engineer / Specialist in Humanities / International Services)~1~

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格について

「技術・人文知識・国際業務」は、本邦の公私の機関との契約に基づいて行う

①自然科学の分野(理系の分野)の専門的技術・知識を必要とする業務に従事する人

②人文科学の分野(文系の分野)の専門的技術・知識を必要とする業務に従事する人

③外国人特有の感性を必要とする業務に従事する人

のための在留資格です。

 

該当範囲

入管法には、以下のように規定されています。

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務又は外国人の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動。」

ただし、このような活動に従事する場合であっても、「教授」、「芸術」、「報道」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「企業内転勤」、「介護」又は「興行」の活動に該当するときは、これらの在留資格になります。

 

1 活動の内容

(1)「自然科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」

「自然科学」とは、以下のようなものをいいます。

数理科学、物理科学、化学、生物科学、人類学、地質科学、地理学、地球物理学、科学教育、統計学、情報学、核科学、基礎工学、応用物理学、機械工学、電気工学、電子工学、情報工学、土木工学、建築学、金属工学、応用化学、資源開発工学、造船学、計測・制御工学、化学工学、航空宇宙工学、原子力工学、経営工学、農学、農芸化学、林学、水産学、農業経済学、農業工学、畜産学、獣医学、蚕糸学、家政学、地域農学、農業総合科学、生理科学、病理科学、内科系科学、外科系科学、社会医学、歯科学、薬科学

「自然科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」とは、学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であることを示すものであり、上記のような自然科学の分野に属する知識がなければできない業務です。

また、大学等において理科系の科目を専攻して修得した一定の水準以上の専門的知識を必要とするものであって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければなりません。

(2)「人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」

「人文科学」とは、以下のようなものをいいます。

語学、文学、哲学、教育学(体育学を含む。)、心理学、社会学、歴史学、地域研究、基礎法学、公法学、国際関係法学、民事法学、刑事法学、社会法学、政治学、経済理論、経済政策、国際経済、経済史、財政学・金融論、商学、経営学、会計学、経済統計学

「人文科学の分野に属する技術若しくは知識を必要とする業務」とは、学術上の素養を背景とする一定水準以上の業務であることを示すものであり、上記のような人文科学の分野に属する知識がなければできない業務です。

大学等において文科系の科目を専攻して修得した一定の水準以上の専門的知識を必要とするものであって、単に経験を積んだことにより有している知識では足りず、学問的・体系的な知識を必要とするものでなければなりません。

(3)「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」

「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」とは、いわゆる外国人特有の感性、すなわち、外国に特有な文化に根ざす一般の日本人が有しない思考方法や感受性を必要とする業務を意味します。

また、「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務」といえるためには、外国の社会、歴史・伝統の中で培われた発想・感覚を基にした一定水準以上の専門的能力を必要とするものでなければなりません。

 

2 基準

申請する人が、以下の「(1)と(3)」または「(2)と(3)」に該当していることが必要です。

(1)

「申請する人が自然科学または人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な知識を修得していること。

イ 当該技術もしくは知識に係る科目を専攻して大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと。

ロ 当該技術もしくは知識に係る科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(当該修了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。)したこと。

ハ 十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該知識に係る科目を専攻した期間を含む。)を有すること。」

つまり、「学歴」か「10年以上の実務経験」が必要になります。

学歴については、以前のブログを確認してください。

 

(2)

「申請する人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。

ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。」

「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」はイに例示列挙されています。

原則として3年以上の実務経験が必要ですが、大学を卒業した人が翻訳、通訳、語学指導の仕事をする場合は、実務経験がなくても認められる場合があります。

 

(3)

「申請する人が日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。」

日本人と同等以上の報酬を受けることが必要になります。

「報酬」については、以前のブログを確認してください。

 

今回は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」について説明しました。

次回も引き続き「技術・人文知識・国際業務」について説明したいと思います。

 

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2019年6月10日

在留資格「定住者」(Long-term Resident)~3~「告示外定住」について

前回の記事では、「定住者告示」によって定められた類型、いわゆる「告示定住」について説明しました。

「定住者告示」に定めはないものの、法務大臣が個々に活動の内容を判断して「定住者」としての在留を認める場合があります。これを「告示外定住」といいます。

「告示外定住」は、法律で規定された要件があるわけではなく「ここに活動の内容を判断」されるのですが、先例などによって、認められる類型はある程度決まっています。

 

 告示外定住の類型

1 認定難民

法務大臣により難民として認定されたものが該当します。

出入国在留管理局(法務大臣)に対して「難民認定申請」を行い、難民として認定された場合は、在留資格「定住者」(在留期間「5年」)を与えられます(「難民」については、また別の機会に詳しく書こうと思います。)。

 

2 特別な事情を考慮して在留を認めることが適当であるもの

(1)日本人、永住者又は特別永住者である配偶者と離婚後引き続き本邦に在留を希望する者

「離婚後定住」と言われる類型です。

次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。

ア 日本で、3年以上正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる

・「3年以上」は、厳密に3年ではなく、だいたい3年くらいであればOKです。

・「正常な婚姻関係・家庭生活」は、通常の夫婦としての家庭生活を営んでいたことをいいます。別居期間があっても、夫婦としての相互扶助、交流が継続していたと認定されればOKとなる場合があります。

イ 生計を営むに足りる資産又は技能を有する

ウ 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有していて、通常の社会生活を営むことが困難ではない

・「日常生活に不自由しない程度の日本語能力」でよいため、日本語試験の合格までは求められません。

エ 公的義務を履行している又は履行が見込まれる

 

(2)日本人、永住者又は特別永住者である配偶者が死亡した後引き続き本邦に在留を希望する者

「死別後定住」と言われる類型です。

次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。

ア 配偶者の死亡までの直前の3年以上、本邦において正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる

イ 生計を営むに足りる資産又は技能を有する

ウ 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有していて、通常の社会生活を営むことが困難となるものではない

エ 公的義務を履行している又は履行が見込まれる

 

(3)日本人の実子を監護・養育する者

「日本人実子養育定住」などと言われる類型です。

次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。

ア 生計を営むに足りる資産又は技能を有する

イ 日本人との間に出生した子を看護・養育していて、次のいずれにも該当する

(ア) 日本人の実子の親権者である

(イ)現に相当期間その実子を監護・養育していることが認められる

・「日本人の実子」とは、嫡出・非嫡出を問わず、子の出生時点においてその父又は母が日本国籍を有している者をいいます。日本国籍であるかは関係ありませんが、日本国籍のない非嫡出子については、日本人父から認知されていることが必要です。

・「監護養育」とは、親権者等が未成年者を監督し、保護することをいいます。

 

そのほか、「婚姻破綻後定住(離婚はしていないけれど婚姻は破綻している場合)」「養子離縁後定住」などの類型もあります。

 

以上、「告示外定住」について説明しました。

 

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2019年6月6日

在留資格「定住者」(Long-term Resident)~2~「告示定住」について

この記事では、在留資格「定住者」のうち、「定住者告示」によって定められた類型の地位、いわゆる「告示定住」について説明していきます。

 

1 定住者告示の各号に定められた地位ついて

第1号及び第2号

ミャンマー難民(ロヒンギャ難民)に関する規定です。

第3号

定住者告示第3号には、以下のような地位が定められています。

「日本人の子として出生した者の実子(第1号又は第8号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの」

該当範囲

次のいずれかに該当し、かつ、素行が善良である者(※)

(ア) 日本人の孫(3世)

(イ) 元日本人(日本人の子として出生した者に限る。以下同じ。)の日本国籍離脱後の実子(2世)

(注)日本人の子として出生した者が日本国籍を有する(又は有していた)場合、その有する間に生まれた子は「日本人の配偶者等」の在留資格に該当します。

(ウ)元日本人の日本国籍離脱前の実子の実子である孫(3世)

 

第4号

定住者告示第4号には、以下のような地位が定められています。

「日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子(第1号、第3号又は第8号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの」

該当範囲

日系1世が日本国籍を離脱した後に生まれた実子の実子である孫(3世)であって、かつ、素行が善良である者

(注)1年以上の在留期間を指定されている定住者(3世)である父又は母を持つ日系4世で、当該定住者の扶養を受ける未成年未婚の実子は、定住者告示第6号に該当します。

 

第5号

定住者告示第5号には、以下のような地位が定められています。

「次のいずれかに該当する者(第1号から前号まで又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの

イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者

ロ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚したものを除く。)の配偶者

ハ 第3号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者であって素行が善良であるもの」

該当範囲

次のいずれかに該当する者が該当する。

(ア) 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者

(イ) 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号又は第4号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚したものを除く。)の配偶者

(注)「当該在留期間中に離婚したものを除く。」とされているのは、日本に入国する便法として定住者と婚姻して本号に該当する者として上陸し、上陸後すぐに離婚をして外国にいる外国人と婚姻し、当該外国人を配偶者として日本に呼び寄せることを防止するためです。

「当該在留期間」とは、指定されている在留期間、すなわち、現に有する在留期間を意味し、在留期間の更新又は在留資格の変更を受けている場合には、当該更新又は変更前の在留期間は含まれません。

(ウ) 第3号又は第4号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚したものを除く。)の配偶者であって、素行が善良であるもの

 

第6号

定住者告示第6号には、以下のような地位が定められています。

「次のいずれかに該当する者(第1号から第4号まで又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの

イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子

ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良であるもの

ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子

該当範囲

日本人、「永住者」の在留資格をもって在留する者、特別永住者若しくは1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもって在留する者又はその配偶者の実子(現在の配偶者又は離婚若しくは死亡した配偶者との間の子(非嫡出子を含む。))について、扶養を受けて生活すること、未成年かつ未婚であることを条件に入国・在留が認められます。

 

第7号

定住者告示第7号には、以下のような地位が定められています。

「次のいずれかに該当する者の扶養を受けて生活するこれらの者の6歳未満の養子(第1号から第4号まで、前号又は第次号に該当する者を除く。)に係るもの

イ 日本人

ロ 永住者の在留資格をもって在留する者

ハ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者

ニ 特別永住者」

該当範囲

日本人、「永住者」の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもって在留する者の養子については、日本人の特別養子以外は、当然には入国・在留が認められないこととされていますが、これらの者の扶養を受けて生活する6歳未満の養子については、「定住者」として入国・在留が認められます。

第8号

中国残留邦人(中国残留孤児)についての規定です。

 

2 審査のポイント

告示定住は、一定の地位、身分の者に与えられる在留資格なので、その地位、身分に該当するかどうかを、提出書類で確認されることとなります。

第3号から第7号までは、日本人や一定の在留資格を有する外国人の配偶者、子、孫などに与えられるので、その地位、身分にあるかどうかを、戸籍や出生証明書、婚姻証明書などで確認されます。各種証明書が偽造ではないこともチェックされます。

また、素行が善良であること(※)、世帯の経費支弁能力(生計維持能力)が適正であるかもチェックされます。

※ 「素行が善良である」とは、以下に該当しない場合をいいます。

Ⅰ 日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、懲役、禁錮若しくは罰金又はこれらに相当する刑(道路交通法違反による罰金又はこれに相当する刑を除く。以下同じ。)に処せられたことがある

Ⅱ 少年法による保護処分が継続中である

Ⅲ 日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある

Ⅳ 他人に入管法に定める証明書の交付又は許可を受けさせる目的で不正な行為を行ったことがある又は不法就労のあっせんを行ったことがある

 

以上、「告示定住」について説明しました。

 

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2019年6月5日

在留資格「定住者」(Long-term Resident)~1~「定住者」及び「定住者告示」について

この記事では「定住者」及び「定住者告示」について説明していきます。

 

「定住者」の在留資格について

「定住者」の在留資格は、他のいずれの在留資格にも該当しないものの、我が国において相当期間の在留を認める特別な事情があると法務大臣が判断した者を受け入れるために設けられた在留資格です。

法務大臣が「定住者」の在留資格に該当する地位を指定する方法には2つあります。

① 告示定住

「定住者告示」と呼ばれる法務省告示において一定の類型の地位を定めておき、そのいずれかに該当する場合にその入国・在留を認めるもの

② 告示外定住

法務大臣が個々に活動の内容を判断して、その在留を認めるもの

 

入国審査官が上陸の許可に際して「定住者」の在留資格を決定できるのは、法務大臣が定住者告示をもってあらかじめ定めている地位を有する者としての活動を行おうとする外国人の場合に限られます。

つまり、在留資格認定証明書交付申請を行うことができるのは①の「告示定住」だけであり、②の「告示外定住」の場合は、在留資格認定証明書交付申請を行うことができません。

 

該当範囲

「定住者」は、本邦において有する身分又は地位について、以下のとおり規定されています。

「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」

 

 定住者告示について

上述のとおり、「定住者」の在留資格をもらうことができる一定の類型が定められているのが「定住者告示」です。

以下引用します。

出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「法」という。)第七条第一項第二号の規定に基づき、同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位であらかじめ定めるものは、次のとおりとする。


一 タイ国内において一時的に庇(ひ)護されているミャンマー難民であって、国際連合難民高等弁務官事務所が国際的な保護の必要な者と認め、我が国に対してその保護を推薦するもののうち、次のいずれかに該当するものに係るもの
イ 日本社会への適応能力がある者であって、生活を営むに足りる職に就くことが見込まれるもの及びその配偶者又は子
ロ この号(イに係るものに限る。)に掲げる地位を有する者として上陸の許可を受けて上陸しその後引き続き本邦に在留する者の親族であって、親族間での相互扶助が可能であるもの


二 マレーシア国内に一時滞在しているミャンマー難民であって、国際連合難民高等弁務官事務所が国際的な保護の必要な者と認め、我が国に対してその保護を推薦するもののうち、前号イに該当するものに係るもの


三 日本人の子として出生した者の実子(前二号又は第八号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの


四 日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子(前三号又は第八号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの


五 次のいずれかに該当する者(第一号から前号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者
ハ 第三号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者であって素行が善良であるもの


六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良であるもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子


七 次のいずれかに該当する者の扶養を受けて生活するこれらの者の六歳未満の養子(第一号から第四号まで、前号又は次号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人
ロ 永住者の在留資格をもって在留する者
ハ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者
ニ 特別永住者


八 次のいずれかに該当する者に係るもの
イ 中国の地域における昭和二十年八月九日以後の混乱等の状況の下で本邦に引き揚げることなく同年九月二日以前から引き続き中国の地域に居住している者であって同日において日本国民として本邦に本籍を有していたもの
ロ 前記イを両親として昭和二十年九月三日以後中国の地域で出生し、引き続き中国の地域に居住している者
ハ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律施行規則(平成六年厚生省令第六十三号)第一条第一号若しくは第二号又は第二条第一号若しくは第二号に該当する者
ニ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成六年法律第三十号)第二条第一項に規定する中国残留邦人等であって同条第四項に規定する永住帰国により本邦に在留する者(以下「永住帰国中国残留邦人等」という。)と本邦で生活を共にするために本邦に入国する当該永住帰国中国残留邦人等の親族であって次のいずれかに該当するもの
(ⅰ) 配偶者
(ⅱ) 二十歳未満の実子(配偶者のないものに限る。)
(ⅲ) 日常生活又は社会生活に相当程度の障害がある実子(配偶者のないものに限る。)であって当該永住帰国中国残留邦人等又はその配偶者の扶養を受けているもの
(ⅳ) 実子であって当該永住帰国中国残留邦人等(五十五歳以上であるもの又は日常生活若しくは社会生活に相当程度の障害があるものに限る。)の永住帰国後の早期の自立の促進及び生活の安定のために必要な扶養を行うため本邦で生活を共にすることが最も適当である者として当該永住帰国中国残留邦人等から申出のあったもの
(ⅴ) 前記(ⅳ)に規定する者の配偶者
ホ 六歳に達する前から引き続き前記イからハまでのいずれかに該当する者と同居し(通学その他の理由により一時的にこれらの者と別居する場合を含む。以下同じ。)、かつ、これらの者の扶養を受けている、又は六歳に達する前から婚姻若しくは就職するまでの間引き続きこれらの者と同居し、かつ、これらの者の扶養を受けていたこれらの者の養子又は配偶者の婚姻前の子

 

難しく書かれていますが、ごく簡潔にまとめると以下のようになります。

1号 在タイミャンマー難民(※)

2号 在マレーシアミャンマー難民

3号 日系2世、または日系3世

4号 日系3世、または日系4世

5号「日本人の配偶者等(日本人の子)」、「定住者」の配偶者

6号 日本人、「永住者」、「特別永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」の未成年で未婚の実子

7号 日本人、「永住者」、「定住者」、「特別永住者」の6歳未満の養子

8号 中国在留邦人(在留孤児)関係

※「ミャンマー難民」とは、いわゆる「ロヒンギャ難民」のことです。

 

以上、「定住者」及び「定住者告示」について説明しました。

次回は、定住者告示の各号に定められた類型を、詳しく解説します。

 

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2019年6月4日

在留資格「永住者の配偶者等」(Spouse or Child of Permanent Resident)~2~

「永住者の配偶者等」は、「5年」、「3年」、「1年」又は「6月」のいずれかの在留期間を付与されます。

どの在留期間になるかは、いままでの在留状況などによって決まります。

 

「永住者等の配偶者」の場合

在留期間5年

次のいずれにも該当している場合、5年の在留期間を与えられます。

1 住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等、入管法で決められた義務を履行している

2 各種の公的義務を履行している

3 学齢期の子どもがいる親の場合は、子が小学校又は中学校(インターナショナルスクール等も含む。)に通学している

4 主たる生計維持者が納税義務を履行している

5 家族構成、婚姻期間など、婚姻を取りまく諸状況からみて、婚姻及び配偶者の身分に基づく生活の継続が見込まれる(婚姻後の同居期間が3年を超える)

在留期間3年

5年の在留期間を与えられていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらなくなってしまった人や、1年、6月の条件に当てはまらない人は、3年の在留期間を与えられます。

在留期間1年

3年の在留期間を決定されていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらない人や、入管が1年に1度確認を行う必要があると判断された場合は、1年の在留期間を与えられます。

在留期間6月

次のいずれかに該当する場合は、在留期間6月が与えられます。

1 離婚調停又は離婚訴訟が行われている(夫婦双方が婚姻継続の意思を有しておらず、今後、配偶者としての活動が見込まれない場合を除く。)

2 夫婦の一方が離婚の意思を明確にしている

3 滞在予定期間が6月以下である

※ 刑事処分を受けた人は、その犯罪及び刑事処分の内容等を勘案し、在留の可否、許可とする場合の在留期間が検討されます。

「永住者等の子」の場合

在留期間5年

次のいずれにも該当している場合、5年の在留期間を与えられます。

1 本人又は親が住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等、入管法で決められた義務を履行している

2 本人又親が各種の公的義務を履行している

3 学齢期の場合は、小学校又は中学校(インターナショナルスクール等も含む。)に通学している

4 主たる生計維持者が納税義務を履行している

在留期間3年

5年の在留期間を与えられていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらなくなってしまった人や、1年、6月の条件に当てはまらない人は、3年の在留期間を与えられます。

在留期間1年

3年の在留期間を決定されていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらない人や、入管が1年に1度確認を行う必要があると判断された場合は、1年の在留期間を与えられます。

在留期間6月

滞在期間が6月以下の場合は、6月の在留期間を与えられます。

※ 刑事処分を受けた人は、その犯罪及び刑事処分の内容等を勘案し、在留の可否、許可とする場合の在留期間が検討されます。

 

以上、「永住者の配偶者等」の在留期間について説明しました。

 

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2019年6月3日

在留資格「永住者の配偶者等」(Spouse or Child of Permanent Resident)~1~

「永住者の配偶者等」について

「永住者の配偶者等」は、在留資格「永住者」、「特別永住者」の配偶者または子どもがもらえるビザです。

以前に説明した「日本人の配偶者等」と合わせて、「結婚ビザ」と呼ばれることもあります。

 

 該当範囲

入管法には、「日本人の配偶者等」の身分又は地位について、以下のとおり規定されています。

「永住者の在留資格をもって在留する者若しくは特別永住者(以下「永住者等」と総称する。)の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者」

具体的には、次の(1)から(3)の身分を有する者が該当します。

(1)永住者等の配偶者の身分を有する者

※「配偶者」とは、現に婚姻関係中の者をいい、相手方の配偶者が死亡した者又は離婚したものは含まれせん。また、婚姻は法的に有効な婚姻であることを要し、内縁の配偶者や外国で有効に成立した同性婚のパートナーは含まれません。

なお、「外国で有効に成立した同性婚のパートナー」は、在留資格「特定活動」に該当する場合があります。

※法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、互いに協力し、扶助しあって「社会通念上の夫婦の共同生活を営む」という婚姻の実体を伴っていない場合には、日本人の配偶者としての活動を行うものとは判断されません。「社会通念上の夫婦の共同生活を営む」といえるためには、合理的な理由がない限り、同居して生活していることが必要となります。

(2)永住者等の子として本邦で出生し、出生後引き続き本邦に在留する者

※①出生の時に父又は母のいずれか一方が永住者の在留資格をもって在留していた場合、又は②本人の出生前に父が死亡し、かつ、その父が死亡のときに永住者の在留資格をもって在留していた場合が、これに当たります。

※本人の出生後に、父又は母が永住者の在留資格を失った場合も、「永住者」の在留資格をもって在留する者の子として出生したという事実には影響がありません。

※「子として本邦で出生した者」とは実子をいい、嫡出子のほか、認知された非嫡出子も含まれますが、養子は含まれません。

※「日本人の配偶者等」の場合と異なり、「本邦で出生したこと」が必要です。

永住者の在留資格をもって在留する者の子であっても、母が再入国許可を受けて出国し外国で出産した場合など、外国で出生した場合は該当しません。

(3)特別永住者の子として本邦で出生し、出生後引き続き本邦に在留する者

※特別永住者の子の場合、通常は出生後に申請を行うことにより特別永住者として在留することになりますが、出生後60日以上を経過してしまうとこの申請を行うことができなくなります。

その場合は、「永住者の配偶者等」の在留資格が与えられます。なお、「永住者の配偶者等」を与えられた後で、「特別永住者」の申請を行うことは可能です。

 

 審査のポイント

1 永住者等の配偶者の身分を有する者

「永住者等の配偶者」の場合は、偽装結婚ではないかどうかを入念にチェックされます。

夫婦の年齢が離れている場合や、外国人との結婚・離婚を繰り返し行っている人の場合は、特に厳しくチェックされます。

法律上で結婚が成立していて、住民票上は同居していることになっている場合でも、上述した「社会通念上の夫婦の共同生活を営」んでいるかどうかを、電話や実地調査などで入管から確認される場合もあります。

2 永住者等の子として出生した者の身分を有する者

懐妊時期に両親が同一地域に滞在していたかどうかの確認が行われる場合があります。

 

「短期滞在」から「永住者の配偶者等」への在留資格変更許可申請

「短期滞在」から他の在留資格への変更については、「やむを得ない特別な事情」があることが必要です(入管法20条3項但書)。

「永住者の配偶者等」への在留資格変更許可申請における「やむを得ない特別な事情」がある場合とは、次のような場合をいいます。

1 婚姻等の身分関係の成立・存在があり、信ぴょう性が認められる場合。

2 「短期滞在」での在留中に在留資格認定証明書が交付された場合。

 

「経費支弁能力」について

「経費支弁能力」とは、日本で生活する上でかかる費用を支払うことができる能力のことです。この「経費支弁能力」も、審査の対象となります。

つまり、①給与などの収入、②預貯金・不動産などの資産などにより、配偶者や子どもと一緒に生活ができるかどうかが審査されます。

日本人の方の雇用契約書や預金通帳のコピー、身元保証人による生活費用負担の誓約書などで、証明することになります。

具体的にいくら以上の収入や資産があればOKかということは公表されていませんが、同居人一人あたり年間80万円~100万円程度の費用がかかると計算し、それ以上の収入や資産があると、審査に通る可能性は高くなります。

 

別居している場合について

配偶者の場合は、上述したように、原則として同居して生活していることが必要となります。

しかし、別居経緯、別居期間、別居中の両者の関係、相互の行き来の有無、生活費の支給等の協力・扶助の関係の有無等に関して説明した資料を提出し、合理性があると判断された場合は、「永住者の配偶者等」の在留資格を与えられることもあります。

 

離婚調停又は訴訟中の場合

婚姻関係が実質的に破綻している場合は、法律上で婚姻関係が継続していても、「永住者の配偶者等」の在留資格には該当しません。

しかし、夫婦関係調整の調停を提起していたり、配偶者が提起した離婚訴訟に応訴し訴訟提起から1年を経過していない場合など、婚姻関係の修復に向けた努力を続けていると認められる場合は、「永住者の配偶者等」の在留資格を与えられることもあります。

 

以上、「永住者の配偶者等」について説明しました。

 

名古屋出入国在留管理局の目の前に位置する当事務所「VISA SUPPORT」は、在留資格(VISA)や退去強制に関するお悩みの相談を、初回無料でお受けしております。

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2019年5月31日

在留資格「日本人の配偶者等」(Spouse or Child of Japanese)~2~在留期間について

「日本人の配偶者等」は、「5年」、「3年」、「1年」又は「6月」のいずれかの在留期間を付与されます。

どの在留期間になるかは、いままでの在留状況などによって決まります。

 

「日本人の配偶者」の場合

在留期間5年

次のいずれにも該当している場合、5年の在留期間を与えられます。

1 住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等、入管法で決められた義務を履行している

2 各種の公的義務を履行している

3 学齢期の子どもがいる親の場合は、子が小学校又は中学校(インターナショナルスクール等も含む。)に通学している

4 主たる生計維持者が納税義務を履行している

5 家族構成、婚姻期間など、婚姻を取りまく諸状況からみて、婚姻及び配偶者の身分に基づく生活の継続が見込まれる(婚姻後の同居期間が3年を超える)

在留期間3年

5年の在留期間を与えられていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらなくなってしまった人や、1年、6月の条件に当てはまらない人は、3年の在留期間を与えられます。

在留期間1年

3年の在留期間を決定されていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらない人や、入管が1年に1度確認を行う必要があると判断された場合は、1年の在留期間を与えられます。

在留期間6月

次のいずれかに該当する場合は、在留期間6月が与えられます。

1 離婚調停又は離婚訴訟が行われている(夫婦双方が婚姻継続の意思を有しておらず、今後、配偶者としての活動が見込まれない場合を除く。)

2 夫婦の一方が離婚の意思を明確にしている

3 滞在予定期間が6月以下である

※ 刑事処分を受けた人は、その犯罪及び刑事処分の内容等を勘案し、在留の可否、許可とする場合の在留期間が検討されます。

 

「日本人の子(日本人の特別養子を含む。)」の場合

在留期間5年

次のいずれにも該当している場合、5年の在留期間を与えられます。

1 本人又は親が住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等、入管法で決められた義務を履行している

2 本人又親が各種の公的義務を履行している

3 学齢期の場合は、小学校又は中学校(インターナショナルスクール等も含む。)に通学している

4 主たる生計維持者が納税義務を履行している

在留期間3年

5年の在留期間を与えられていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらなくなってしまった人や、1年、6月の条件に当てはまらない人は、3年の在留期間を与えられます。

在留期間1年

3年の在留期間を決定されていたものの、上記した5年の条件のどれかに当てはまらない人や、入管が1年に1度確認を行う必要があると判断された場合は、1年の在留期間を与えられます。

在留期間6月

滞在期間が6月以下の場合は、6月の在留期間を与えられます。

※ 刑事処分を受けた人は、その犯罪及び刑事処分の内容等を勘案し、在留の可否、許可とする場合の在留期間が検討されます。

 

以上、「日本人の配偶者等」の在留期間について説明しました。

名古屋出入国在留管理局の目の前に位置する当事務所「VISA SUPPORT」は、在留資格(VISA)や退去強制に関するお悩みの相談を、初回無料でお受けしております。

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2019年5月30日

在留資格「日本人の配偶者等」(Spouse or Child of Japanese)~1~

「日本人の配偶者等」について

「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者または子どもがもらえるビザです。

後に説明する「永住者の配偶者等」と合わせて、「結婚ビザ」と呼ばれることもあります。

 

該当範囲

入管法には、「日本人の配偶者等」の身分又は地位について、以下のとおり規定されています。

「日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者」

具体的には、次の(1)から(3)の身分を有する者が該当します。

(1)日本人の配偶者の身分を有する者

※「配偶者」とは、現に婚姻関係中の者をいい、相手方の配偶者が死亡した者又は離婚したものは含まれせん。また、婚姻は法的に有効な婚姻であることを要し、内縁の配偶者は含まれません。

※法律上の婚姻関係が成立していても、同居し、互いに協力し、扶助しあって「社会通念上の夫婦の共同生活を営む」という婚姻の実体を伴っていない場合には、日本人の配偶者としての活動を行うものとは判断されません。「社会通念上の夫婦の共同生活を営む」といえるためには、合理的な理由がない限り、同居して生活していることが必要となります。

※日本の民放では同性婚が認められていないため、地方自治体の条例等でパートナーシップを認められている場合でも、同性のパートナーはこの在留資格における「配偶者」とは認められません。

(2)日本人の特別養子の身分を有する者

※法律上の特別養子の身分を有している者をいいます。特別養子縁組は、民法第817条の2第1項の規定に基づいて家庭裁判所の審判により成立し、生みの親との身分関係を切り離し、養父母との間に実の子とほぼ同様な関係が成立します。

※一般養子縁組の成立による一般養子の身分を有する者の場合は「日本人の配偶者等」にはあたりません。年齢によって「定住者」または「家族滞在」の在留資格を得ることができる場合があります。

(3)日本人の子として出生した者の身分を有する者

※「日本人の子として出生した者」とは、日本人の実子をいい、嫡出子のほか、認知された嫡出でない子等が含まれますが、養子は含まれません。

※①出生の時に父又は母のいずれか一方が日本国籍を有していた場合、または②本人の出生前に父が死亡し、かつ、その父が死亡のときに日本国籍を有していた場合が、これに当たります。しかし、本人の出生後にその父又は母が日本国籍を取得しても、そのことにより当該外国人が「日本人の子として出生した者」にはなりません。

※本人の出生後に父又は母が日本国籍を離脱した場で合も、日本人の子として出生したという事実には影響がありません。

※「日本人の子として出生した者」は、「本邦で出生したこと」が要件とされていないので、外国で出生した者も含まれます。

 

審査のポイント

1 日本人の配偶者の身分を有する者

「日本人の配偶者」の場合は、偽装結婚ではないかどうかを入念にチェックされます。

夫婦の年齢が離れている場合や、外国人との結婚・離婚を繰り返し行っている人の場合は、特に厳しくチェックされます。

法律上で結婚が成立していて、住民票上は同居していることになっている場合でも、上述した「社会通念上の夫婦の共同生活を営」んでいるかどうかを、電話や実地調査などで入管から確認される場合もあります。

2 日本人の子として出生した者の身分を有する者

パスポート等により、懐妊時期に両親が同一地域に滞在していたかどうかの確認が行われる場合があります。出生証明書の偽造・変造や、親の年齢、婚姻時期等の記載などに矛盾がないかを確認される場合もあります。

3 日本人の特別養子

戸籍謄本によって、特別養子であることの確認が行われます。

 

「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請

「短期滞在」から他の在留資格への変更については、「やむを得ない特別な事情」があることが必要です(入管法20条3項但書)。

「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請における「やむを得ない特別な事情」がある場合とは、次のような場合をいいます。

1 婚姻等の身分関係の成立・存在があり、信ぴょう性が認められる場合。

2 日本人の子である場合。

3 「短期滞在」での在留中に在留資格認定証明書が交付された場合。

 

「経費支弁能力」について

「経費支弁能力」とは、日本で生活する上でかかる費用を支払うことができる能力のことです。この「経費支弁能力」も、審査の対象となります。

つまり、①給与などの収入、②預貯金・不動産などの資産などにより、配偶者や子どもと一緒に生活ができるかどうかが審査されます。

日本人の方の雇用契約書や預金通帳のコピー、身元保証人による生活費用負担の誓約書などで、証明することになります。

具体的にいくら以上の収入や資産があればOKかということは公表されていませんが、同居人一人あたり年間80万円~100万円程度の費用がかかると計算し、それ以上の収入や資産があると、審査に通る可能性は高くなります。

 

別居している場合について

配偶者の場合は、上述したように、原則として同居して生活していることが必要となります。

しかし、別居経緯、別居期間、別居中の両者の関係、相互の行き来の有無、生活費の支給等の協力・扶助の関係の有無等に関して説明した資料を提出し、合理性があると判断された場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格を与えられることもあります。

 

離婚調停又は訴訟中の場合

婚姻関係が実質的に破綻している場合は、法律上で婚姻関係が継続していても、「日本人の配偶者等」の在留資格には該当しません。

しかし、夫婦関係調整の調停を提起していたり、配偶者が提起した離婚訴訟に応訴し訴訟提起から1年を経過していない場合など、婚姻関係の修復に向けた努力を続けていると認められる場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格を与えられることもあります。

なお、離婚の前に正常な婚姻関係が3年以上継続していた場合は、離婚後に「定住者」への変更が可能になることもあります。

 

以上、「日本人配偶者等」について説明しました。

 

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2019年5月29日

在留資格「永住者」(Permanent Resident)~2~永住許可に関するガイドライン

法務省は、永住許可に関するガイドラインを公表しています。

 

永住許可に関するガイドライン(平成29年4月26日改定)

1 法律上の要件

(1) 素行が善良であること

法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

(2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

日常生活において公共の負担にならず,その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。

(3) その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。納税義務等公的義務を履行していること。

ウ 現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

※ ただし,日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には,(1)及び(2)に適合することを要しない。また,難民の認定を受けている者の場合には,(2)に適合することを要しない。

 

 原則10年在留に関する特例

(1)日本人,永住者及び特別永住者の配偶者の場合,実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること

(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

(3)難民の認定を受けた者の場合,認定後5年以上継続して本邦に在留していること

(4)外交,社会,経済,文化等の分野において我が国への貢献(※)があると認められる者で,5年以上本邦に在留していること

(5)地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において,出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い,当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合,3年以上継続して本邦に在留していること

(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。)に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア  「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ  3年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令
に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。

(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア  「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ  1年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令
に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。

(注1)本ガイドラインについては,当面,在留期間「3年」を有する場合は,前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととする。

(注2)前記2(6)アの「高度人材外国人」とは,ポイント計算の結果70点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し,前記2(7)アの「高度人材外国人」とは,ポイント計算の結果80点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当する。

 

※上記(4)「我が国への貢献」についても、ガイドラインが定められています。

我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン(平成29年4月26日改定)

総合規制改革会議の「規制改革の推進に関する第3次答申」(平成15年12月22日。参考1)において、「我が国への貢献が認められ5年以上の在留実績により永住許可された事例」を紹介するとともに、これら事例を分析し、一定の基準を定め公開することにより、永住許可申請における「我が国への貢献」に関して明確化を図ることが決定されたほか、「規制改革・民間開放の推進に関する第1次答申」においても、「永住許可要件としての外交・社会・経済・文化等の分野において我が国への貢献が認められる者に関するガイドライン案について、各分野における専門家、有識者、外国人等からの意見を広く聴取しつつ策定すること」が決定されました。

 

「我が国への貢献」に関するガイドライン

次のいずれかに該当し,かつ,5年以上日本において社会生活上問題を生ぜしめることなく滞在してきたこと。

1 各分野に共通

○ 国際機関若しくは外国政府又はこれらに準ずる機関から,国際社会において権威あるものとして評価されている賞を受けた者

例:ノーベル賞,フィールズ賞,プリッカー賞,レジオンドヌール勲

○ 日本政府から次のような賞を受けた者

国民栄誉賞,勲章,文化勲章又は褒章(紺綬褒章及び遺族追賞を除く),日本国際賞

○ 日本政府又は地方自治体から委員等として任命,委嘱等されて公共の利益を目的とする活動をおおむね3年以上行った者

○ 医療,教育その他職業活動を通じて,日本社会又は地域活動の維持,発展に多大な貢献のあった者

2 外交分野

○ 外交使節団又は領事機関の構成員として我が国で勤務し,日本とその者の派遣国との友好又は文化交流の増進に功績があった者

○ 日本の加盟する国際機関の事務局長,事務局次長又はこれらと同等以上の役職として勤務した経歴を有する者

3 経済・産業分野

○ 日本の上場企業又はこれと同程度の規模を有する日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事している者又はかつてこれらの企業の経営におおむね3年以上従事したことがある者で,その間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

○ 日本国内の企業の経営におおむね3年以上従事したことがある者で,その間に継続して1億円以上の投資を行うことにより我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

○ 日本の上場企業又はこれと同程度の規模を有する日本国内の企業の管理職又はこれに準ずる職務におおむね5年以上従事している者で,その間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

○ 我が国の産業の発展に貢献し,全国規模の選抜の結果として賞を受けた者

例:グッドデザイン賞(財団法人日本産業デザイン振興会主催)の大賞又は特別賞

○ 先端技術者,高度技術者等としての活動により,我が国の農林水産業,工業,商業その他の産業の発展に多大な貢献があった者

○ IoT 又は再生医療等の「成長分野」の発展に寄与するものとして事業所管省庁が関与するプロジェクトにおおむね5年以上従事している者で,その間の活動により我が国の経済又は産業の発展に貢献のあった者

4 文化・芸術分野

○ 文学,美術,映画,音楽,演劇,演芸その他の文化・芸術分野における権威あるものとして一般的評価を受けている賞を受けた者

例:ベネチア・ビエンナーレ金獅子賞,高松宮殿下記念世界文化賞,アカデミー賞各賞,カンヌ映画祭各賞,ベネチア映画祭各賞,ベルリン映画祭各賞

○ 文学,美術,映画,音楽,演劇,演芸その他の文化・芸術分野で指導者又は指導的地位にある者として,おおむね3年以上日本で活動し,日本の文化の向上に貢献のあった者

5 教育分野

○ 学校教育法に定める日本の大学又はこれに準ずる機関の常勤又はこれと同等の勤務の実体を有する教授,准教授又は講師として,日本でおおむね3年以上教育活動に従事している者又はかつて日本でおおむね3年以上これらの職務に従事したことのある者で,日本の高等教育の水準の向上に貢献のあっ
た者

6 研究分野

○ 研究活動により顕著な成果を挙げたと認められる次の者

① 研究活動の成果としての論文等が学術雑誌等に掲載され,その論文が他の研究者の論文等に複数引用されている者

② 公平な審査過程を経て掲載が決定される学術雑誌等へ研究活動の成果としての論文等が複数掲載されたことがある者

③ 権威ある学術雑誌等に研究活動の成果としての論文等が多数掲載されて
いる者

④ 権威あるものとして一般的に評価されている学会において,高い評価を受けて講演等をしたことがある者

7 スポーツの分野

○ オリンピック大会,世界選手権等の世界規模で行われる著名なスポーツ競技会その他の大会の上位入賞者又はその監督,指導者等としてその入賞に多大な貢献があった者で,日本における当該スポーツ等の指導又は振興に係る活動を行っている者

○ 国際的規模で開催されるスポーツ競技会その他の大会の上位入賞者又はその監督,指導者等としてその入賞に多大な貢献があった者で,おおむね3年以上日本においてスポーツ等の指導又は振興に係る活動を行っている者

○ 我が国におけるスポーツ等の振興に多大な貢献のあった者

8 その他の分野

○ 社会・福祉分野において,日本社会の発展に貢献し,全国規模の選抜の結果として賞を受けた者

例:ワンモアライフ勤労者ボランティア賞,社会貢献者表彰の各賞

○ 日本における公益的活動を通じて,我が国の社会,福祉に多大な貢献のあった者

※申請に際しての注

上記に該当するものとして,永住許可申請を行う場合には,具体的な貢献内容が明らかとなるよう,次ページの様式に記入し,貢献に関する資料を添付した上で,申請書その他の資料とともに提出してください。

 

以上、永住許可に関するガイドラインについて説明しました。

 

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