2019年5月27日
2019年4月の入管法改正により、在留資格「特定技能」が新設されました。
「特定技能」が新設されたことで、これまでは一部の例外を除いて外国人が働くことのできなかった、建設業界や造船業界、宿泊業界、外食産業などで、外国人が働くことができるようになりました。
新設された背景
現在中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、日本の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が生じているため、現行の専門的・技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、一定の専門性・技能を有する外国人材を幅広く受け入れてい く仕組みを構築する必要があるということや、真に受入れが必要と認められる人手不足の分野に着目し、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるために新たな在留資格を創設するという流れがあったようです。
受け入れ可能な業種は法務省令で定められますので、今後「深刻な人手不足である」と認められれば、法改正に比べればはるかに容易な方法によって、他の産業にも拡大していく可能性があります。
特定技能で解禁された業種とは?
特定技能ビザは就労ビザに分類されますが、どんな業種に解禁されたのでしょうか?
特定技能ビザは1号と2号の2種類に分かれています。
2019年5月現在、1号の対象が14業種、2号の対象が2業種となっています。
特定技能ビザは2種類に分かれていて、原則として1号の修了者が試験などにより必要な技能を有していると証明された場合に2号に進むことができることになっています。
ただし2号の対象は現在のところ2業種のみとされていますので、2号対象外業種で働いてきた外国人は1号が終了すると本国に帰国することとなります。
特定技能ビザ1号の対象業種
①建設業、②造船・舶用工業、③自動車整備業、④航空業、⑤宿泊業、⑥介護、⑦ビルクリーニング、⑧農業、⑨漁業、⑩飲食料品製造業、⑪外食業、⑫素形材産業、⑬産業機械製造業、⑭電気電子情報関連産業
特定技能ビザ2号の対象業種
①建設業、②造船・舶用工業
現在のところ、1号から2号に進むことができるのは「建設業」と「造船・船用工業」のみとなっています。
特定技能1号は、期間制限が通算で5年と定められており、また、家族の帯同はできません。それに比べて、特定技能2号は、期間の制限がなく、家族の帯同も認められています。特定技能2号であれば、更新の条件を満たしてさえいれば、何度も更新が可能なので長期間日本で働くことが可能というわけです。
ここでいう家族とは、配偶者と子を意味し、親や兄弟姉妹は含まれません。
特定技能の受け入れ対象者については、
①相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能1号」と、同分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格「特定技能2号」を新設する。
②ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有することが基本
と定めています。
「相当程度の知識又は経験を要する技能を要する」とは、特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準のものを言います。
さらに、特定技能2号を取得する外国人に求められる技能水準は「熟練した技能」です。
これは、長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をいい、現行の専門的・技術的分野の在留資格を有する外国人と同等又はそれ以上の高い専門性・技能を要する技能とされています。
特定技能の新設によって、受入れ機関等が特定技能外国人に各種支援等を行うことで、当該外国人が、我が国での活動を安定的・円滑に行うことが可能となり、深刻な人手不足に対応し、日本の経済・社会基盤の持続可能性を維持することに資する事が期待されています。
以上が「特定技能」についての説明になります。
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