2019年6月10日
前回の記事では、「定住者告示」によって定められた類型、いわゆる「告示定住」について説明しました。
「定住者告示」に定めはないものの、法務大臣が個々に活動の内容を判断して「定住者」としての在留を認める場合があります。これを「告示外定住」といいます。
「告示外定住」は、法律で規定された要件があるわけではなく「ここに活動の内容を判断」されるのですが、先例などによって、認められる類型はある程度決まっています。
告示外定住の類型
1 認定難民
法務大臣により難民として認定されたものが該当します。
出入国在留管理局(法務大臣)に対して「難民認定申請」を行い、難民として認定された場合は、在留資格「定住者」(在留期間「5年」)を与えられます(「難民」については、また別の機会に詳しく書こうと思います。)。
2 特別な事情を考慮して在留を認めることが適当であるもの
(1)日本人、永住者又は特別永住者である配偶者と離婚後引き続き本邦に在留を希望する者
「離婚後定住」と言われる類型です。
次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。
ア 日本で、3年以上正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる
・「3年以上」は、厳密に3年ではなく、だいたい3年くらいであればOKです。
・「正常な婚姻関係・家庭生活」は、通常の夫婦としての家庭生活を営んでいたことをいいます。別居期間があっても、夫婦としての相互扶助、交流が継続していたと認定されればOKとなる場合があります。
イ 生計を営むに足りる資産又は技能を有する
ウ 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有していて、通常の社会生活を営むことが困難ではない
・「日常生活に不自由しない程度の日本語能力」でよいため、日本語試験の合格までは求められません。
エ 公的義務を履行している又は履行が見込まれる
(2)日本人、永住者又は特別永住者である配偶者が死亡した後引き続き本邦に在留を希望する者
「死別後定住」と言われる類型です。
次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。
ア 配偶者の死亡までの直前の3年以上、本邦において正常な婚姻関係・家庭生活が継続していたと認められる
イ 生計を営むに足りる資産又は技能を有する
ウ 日常生活に不自由しない程度の日本語の能力を有していて、通常の社会生活を営むことが困難となるものではない
エ 公的義務を履行している又は履行が見込まれる
(3)日本人の実子を監護・養育する者
「日本人実子養育定住」などと言われる類型です。
次のいずれにも該当する場合は、認められる可能性が高いです。
ア 生計を営むに足りる資産又は技能を有する
イ 日本人との間に出生した子を看護・養育していて、次のいずれにも該当する
(ア) 日本人の実子の親権者である
(イ)現に相当期間その実子を監護・養育していることが認められる
・「日本人の実子」とは、嫡出・非嫡出を問わず、子の出生時点においてその父又は母が日本国籍を有している者をいいます。日本国籍であるかは関係ありませんが、日本国籍のない非嫡出子については、日本人父から認知されていることが必要です。
・「監護養育」とは、親権者等が未成年者を監督し、保護することをいいます。
そのほか、「婚姻破綻後定住(離婚はしていないけれど婚姻は破綻している場合)」「養子離縁後定住」などの類型もあります。
以上、「告示外定住」について説明しました。
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