2019年6月6日
この記事では、在留資格「定住者」のうち、「定住者告示」によって定められた類型の地位、いわゆる「告示定住」について説明していきます。
1 定住者告示の各号に定められた地位ついて
第1号及び第2号
ミャンマー難民(ロヒンギャ難民)に関する規定です。
第3号
定住者告示第3号には、以下のような地位が定められています。
「日本人の子として出生した者の実子(第1号又は第8号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの」
該当範囲
次のいずれかに該当し、かつ、素行が善良である者(※)
(ア) 日本人の孫(3世)
(イ) 元日本人(日本人の子として出生した者に限る。以下同じ。)の日本国籍離脱後の実子(2世)
(注)日本人の子として出生した者が日本国籍を有する(又は有していた)場合、その有する間に生まれた子は「日本人の配偶者等」の在留資格に該当します。
(ウ)元日本人の日本国籍離脱前の実子の実子である孫(3世)
第4号
定住者告示第4号には、以下のような地位が定められています。
「日本人の子として出生した者でかつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるものの実子の実子(第1号、第3号又は第8号に該当する者を除く。)であって素行が善良であるものに係るもの」
該当範囲
日系1世が日本国籍を離脱した後に生まれた実子の実子である孫(3世)であって、かつ、素行が善良である者
(注)1年以上の在留期間を指定されている定住者(3世)である父又は母を持つ日系4世で、当該定住者の扶養を受ける未成年未婚の実子は、定住者告示第6号に該当します。
第5号
定住者告示第5号には、以下のような地位が定められています。
「次のいずれかに該当する者(第1号から前号まで又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者
ロ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚したものを除く。)の配偶者
ハ 第3号又は前号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚をしたものを除く。)の配偶者であって素行が善良であるもの」
該当範囲
次のいずれかに該当する者が該当する。
(ア) 日本人の配偶者等の在留資格をもって在留する者で日本人の子として出生したものの配偶者
(イ) 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第3号又は第4号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者及びこの号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚したものを除く。)の配偶者
(注)「当該在留期間中に離婚したものを除く。」とされているのは、日本に入国する便法として定住者と婚姻して本号に該当する者として上陸し、上陸後すぐに離婚をして外国にいる外国人と婚姻し、当該外国人を配偶者として日本に呼び寄せることを防止するためです。
「当該在留期間」とは、指定されている在留期間、すなわち、現に有する在留期間を意味し、在留期間の更新又は在留資格の変更を受けている場合には、当該更新又は変更前の在留期間は含まれません。
(ウ) 第3号又は第4号に掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するもの(この号に該当する者として上陸の許可を受けた者で当該在留期間中に離婚したものを除く。)の配偶者であって、素行が善良であるもの
第6号
定住者告示第6号には、以下のような地位が定められています。
「次のいずれかに該当する者(第1号から第4号まで又は第8号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良であるもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
該当範囲
日本人、「永住者」の在留資格をもって在留する者、特別永住者若しくは1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもって在留する者又はその配偶者の実子(現在の配偶者又は離婚若しくは死亡した配偶者との間の子(非嫡出子を含む。))について、扶養を受けて生活すること、未成年かつ未婚であることを条件に入国・在留が認められます。
第7号
定住者告示第7号には、以下のような地位が定められています。
「次のいずれかに該当する者の扶養を受けて生活するこれらの者の6歳未満の養子(第1号から第4号まで、前号又は第次号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人
ロ 永住者の在留資格をもって在留する者
ハ 1年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者
ニ 特別永住者」
該当範囲
日本人、「永住者」の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の在留資格をもって在留する者の養子については、日本人の特別養子以外は、当然には入国・在留が認められないこととされていますが、これらの者の扶養を受けて生活する6歳未満の養子については、「定住者」として入国・在留が認められます。
第8号
中国残留邦人(中国残留孤児)についての規定です。
2 審査のポイント
告示定住は、一定の地位、身分の者に与えられる在留資格なので、その地位、身分に該当するかどうかを、提出書類で確認されることとなります。
第3号から第7号までは、日本人や一定の在留資格を有する外国人の配偶者、子、孫などに与えられるので、その地位、身分にあるかどうかを、戸籍や出生証明書、婚姻証明書などで確認されます。各種証明書が偽造ではないこともチェックされます。
また、素行が善良であること(※)、世帯の経費支弁能力(生計維持能力)が適正であるかもチェックされます。
※ 「素行が善良である」とは、以下に該当しない場合をいいます。
Ⅰ 日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、懲役、禁錮若しくは罰金又はこれらに相当する刑(道路交通法違反による罰金又はこれに相当する刑を除く。以下同じ。)に処せられたことがある
Ⅱ 少年法による保護処分が継続中である
Ⅲ 日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行う等素行善良と認められない特段の事情がある
Ⅳ 他人に入管法に定める証明書の交付又は許可を受けさせる目的で不正な行為を行ったことがある又は不法就労のあっせんを行ったことがある
以上、「告示定住」について説明しました。
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