2020年2月26日
本日から3回にわけて在留資格「企業内転勤」について説明させていただきます。
第1 在留資格の審査
1 企業内転勤の在留資格について
「企業内転勤」の在留資格は、企業活動の国際化に対応し、人事異動により外国の事業所から日本の事業所に転勤する外国人を受け入れるために設けられたものである。
同一企業等の内部で外国の事業所から日本の事業所に一定期間転勤して、「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄に掲げる活動を行うものが該当する。
2 該当範囲
入管法別表第1の2の表の「企業内転勤」の項の下欄は、日本において行うことができる活動を以下のとおり規定している。
日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が、外国の事業所から日本にある事業所に期間を定めて転勤して、当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動
(1)企業内転勤の在留資格に該当する範囲
ア 「企業内転勤」の在留資格により行うことができる活動内容は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に係る活動であるが、同一企業等内の転勤者として日本において限られた期間勤務するものである点で、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもって在留する外国人と異なる。
イ 「企業内転勤」の在留資格は、「自然科学の分野に属する技術又は知識」、「人文科学の分野に属する知識」又は「外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性」のうち少なくともいずれか一を必要とする業務に従事する活動である。
(2)用語の意義
ア 「日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関」には、民間企業のみならず、公社、独立行政法人及びその他の団体(JETRO、経団連等)が含まれる。また、外国の政府関係機関又は外国の地方公共団体(地方政府を含む。)の関係機関も含まれる。ただし、外国の政府関係機関の場合に当該機関における活動が「外交」又は「公用」の在留資格に該当するときは、これらの在留資格を決定する。
イ 「転勤」は、通常、同一会社内の異動であるが、系列企業内(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第8条にいう「親会社」、「子会社」及び「関連会社」を指す。以下、「親会社」、「子会社」及び「関連会社」については、同規則の定義による。下記第2の2参照。)の出向等も「転勤」に含まれる。
ウ 「期間を定めて転勤して」とは、日本の事業所での勤務が一定期間に限られていることを意味する。
(3)留意事項
ア 同一の法人内で異動して「企業内転勤」の在留資格をもって在留する場合は、改めて雇用等の契約を結ぶ必要はない。
イ 日本にある事業所は、事業が適正に行われ、かつ、安定的に事業を行っていると認められるものでなければならない。
ウ 日本にある事業所は、施設が確保され、当該施設において事業活動が行われるものでなければならない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、施設が確保されているものとする。
(ア)当該外国人が稼働する外国企業に対し地方公共団体等(地方公共団体、独立行政法人及び第三セクター(地方公共団体の出資の比率が2分の1以上の商法・民法法人に限る。)をいう。)が提供した施設を事業所として使用し、外国企業の支店等開設準備を行おうとするもの。
この場合、地方公共団体等の講じるべき措置や留意事項は、以下のとおりである。
① 外国企業が日本において事業を行う拠点となる事業所の確保を支援するため、地方公共団体等が外国企業に対し、その事業の用に供する施設を提供するための必要な措置が講じられていることを要する。
② 当該施設を提供する機関が地方公共団体以外の機関である場合には、地方公共団体は当該機関を特定しなければならない。
③ 当該施設は地方公共団体等が保有している施設に限り、単に貸与されたものを提供することでは認められないので留意すること。
(イ)次の①又は②に掲げる第三セクターが提供した施設を事業所として使用し、外国企業の支店等開設準備を行おうとするもの。
① 複数の地方公共団体が共同出資した第三セクターであって、次の要件をすべて満たすもの。
a 複数の地方公共団体による共同出資の総額が2分の1以上であること。
b 複数の地方公共団体の意思が統一され、共通の意思をもって常に当該第三セクターの意思決定機関を支配していること。
c 当該施設の提供事業についての責任の主体が明確にされていること。
② 地方公共団体及び独立行政法人が共同出資した第三セクターであって、次の要件をすべて満たすもの。
a 共同出資を行っている地方公共団体が第三セクターの意思決定機関を支配していること。
b 当該施設の提供事業についての責任の主体が明確にされていること。
(4)他の在留資格との関係
企業内転勤者が外資系企業の経営又は管理に従事する場合には、「投資・経営」の在留資格に該当する。
以上、在留資格「企業内転勤」について説明させていただきました。
続きは明日以降に説明させていただきます。
名古屋出入国在留管理局の目の前に位置する当事務所「VISA SUPPORT」は、在留資格(VISA)や退去強制に関するお悩みの相談を、初回無料でお受けしております。
どんなことでもお気軽にお問い合わせください。