2019年5月20日
日本で「働くための在留資格」を取得する場合には、「申請する人」と「申請する人が働く予定の機関(会社など)」が審査されます。
申請する人が派遣会社(労働者派遣事業を営む企業)で働く場合には、どのような点がチェックされるのでしょうか。
「派遣」について
まずは「派遣」とはどの様な労働形態であるかを紹介していきます。
①労働者派遣の意義
自分の雇用する労働者を、雇用関係の下に、他人の指揮命令を受けて、他人のために労働に従事させることをいいます。
他人に対し、その労働者を雇用させることを約束している場合は該当しません。
②派遣に関する法的制限
(1) 派遣期間について
・派遣先への派遣期間は原則として1年であり、3年まで延長することが可能ですが、労働者の代表の意見を聴取する義務があります。
・期間は同一業務について通算します。
・期間を超えて同一の業務を継続する場合、派遣労働者を直接雇用しなければなりません。
(2)派遣業務について
・派遣法施行令で定められた、専門的な知識や技術を要する18業務
・業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
・事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務で、一定の期間内に完了することが予定されているもの
・その業務が1か月間に行われる日数が、派遣先に雇用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数と比較して相当程度少なく、厚生労働大臣の定める日数以下である業務
・派遣先に雇用される労働者が労働基準法の規定により休業し、育児休業、介護休業等育児、または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業をする場合の労働者の業務、その他これに準ずる場合として厚生労働省令で定める労働者の業務
・派遣先に雇用される労働者が育児休業、介護休業等育児、または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する介護休業をし、これに準ずる休業として厚生労働省令で定める休業をする場合の労働者の業務
医療業務(ただし、紹介予定派遣、出産・育児・介護休業の代替要員、僻地及び社 会福祉施設への派遣は可能。)、建設業務、警備業務、港湾業務に労働者を派遣することはできません(特に、警備はそれ自体が派遣同等となります。)。
(3)再派遣の禁止
派遣社員を派遣先から更に派遣させることはできません。
③派遣労働者の分類
2つの派遣労働者の分類について説明します。
(1) 常用型派遣
派遣先の有無にかかわらず、派遣業者と雇用契約が結ばれている状態の派遣の事をいいます。
「正社員派遣」、「定常型派遣」とも呼ばれています。
常用型派遣労働者には、特定労働者派遣事業主に正社員や契約社員として雇用される労働者や雇用主が一般労働者派遣事業主であっても、正社員や契約社員として雇用されている労働者があります。
(2) 登録型派遣
派遣先が存在する時のみに派遣業者と雇用契約の関係が生じる状態の派遣をいいます。
④労働者派遣事業とは
(1) 特定労働者派遣事業
派遣元に常時雇用される労働者を他社に派遣する形態を指します。
一般労働者派遣の業者に比べると、特定の事業所に対し技術者などを派遣する業者が多いのが特徴です。
(2) 一般労働者派遣事業
派遣元に常時雇用されない労働者(契約社員)を他社に派遣する形態をいいます。
臨時 ・日雇い派遣もこれに該当します。
一般的に「派遣会社」にこの形態の事業者が多いです。
派遣会社で働く場合の審査
申請する人が派遣会社で働く場合、チェックは以下のように行われます。
①活動内容
申請する人が行おうとする活動は、派遣先において従事しようとする活動に基づいて判断されます。
②活動の継続性
派遣労働者には、上記のとおり常用型派遣と登録型派遣があります。
「活動が継続的」であると判断されるには、原則として常用型派遣であることが必要です。
ただし、登録型派遣であっても、許可する在留期間内に派遣元との雇用契約に基づき、特定された派遣先において許可する在留資格に関する活動を行うことが見込まれる場合は、「活動が継続的」であると判断される場合もあります。
③機関の規模
「働くための在留資格」では、働く機関の規模などに応じて提出資料が変わります。
派遣労働者の場合は、雇用契約を締結している機関(≒派遣元)に応じた資料を提出する必要があります。
以上が外国人が派遣会社で働く場合の説明になります。
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次回は、在留資格に関わる「学歴」について説明します。