2018年12月11日
2018年10月19日
在留資格の審査~入国管理局によるチェックポイントとは~その2
提出資料
前回のブログでお話ししたように、入国管理局は、申請をする人が提出する資料に基づいて審査を行います。
申請に必要な資料は、申請の内容によって異なります。法務省のホームページに、必ず提出しなければならない資料が掲載されていますが、掲載されていないものでも、入国管理局の審査でプラスになりそうな資料は積極的に提出するとよいでしょう。
提出した資料に不足がある場合は、入国管理局から追加資料の提出を求められる場合もあります。
標準処理期間
「標準処理期間」とは、申請してから結果が出るまでだいたいこのくらいかかりますよ、という目安です。法務省が公表しています。
・在留資格認定証明書交付申請 1か月~3か月
・在留期間更新許可申請 2週間~1か月
・在留資格変更許可申請 2週間~1か月
しかしながら、2018年10月現在、入国管理局は非常に混雑しており、この目安の期間を超過するケースが頻繁にみられます。
在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請は、在留期限までの余裕をもって行いましょう。
審査の基準
入国管理局が在留資格の審査を行うときに、まず基準とされるのは「入管法」です。
そして、「入管法」だけではなく、法務省が制定する「規則」「省令」「告示」「ガイドライン」など、また、内部文書である「通達」や「審査要領」なども審査の基準となっています。
これらの審査の基準には、公開されているものと公開されていないものがあります。
一例として、「審査要領」は、原則非公開とされていますが、情報公開制度で開示請求することにより、入手することができます。
行政書士法人VISA SUPPORTでは、この入国管理局の内部審査基準である「審査要領」を入手しているため、入国管理局によってどのような審査が行われるかを考慮に入れ、提出資料を作成することができます。
2018年10月19日
在留資格の審査~入国管理局によるチェックポイントとは~その1
在留資格を取得、更新、変更しようとするときには、入国管理局に申請をすることになります。
入国管理局では、申請に対して審査をし、許可・不許可の判断をします。
この審査は、主に、申請人が入国管理局に提出する書類によって行われます。
入国管理局の審査では、申請人について、次のようなポイントがチェックされます。
① 申請する在留資格に該当していること
2018年10月現在、在留資格は28種類あり、それぞれに条件が決められています。
例えば、「結婚ビザ(日本人の配偶者等)」であれば、日本人と結婚していることが条件となるので、日本人と結婚していること、その結婚が真実であること(偽装ではないこと)などが審査されます。
「技術・人文知識・国際業務」であれば、大学や専門学校を卒業していること、学校で学んだ分野と就職先での業務に関連性があることなどが条件となるので、このような点を審査されます。
審査によって、このような「決められた条件」に該当していないと判断された人は、在留資格をもらえません。
② 審査におけるマイナスポイント
申請する在留資格に該当している場合でも、在留資格がもらえないこともあります。
犯罪や交通違反をしたこと、納税などの義務を果たしていないことは、審査でマイナスポイントとなることが多いです。
また、申請人の、現在の在留資格での生活もチェックされます。
例えば、「留学」の在留資格で暮らしているのに、学校にしっかりと通っていなかったり、資格外活動として許可された時間より多く働いてしまっていたりすると、審査でマイナスの評価をされてしまいます。
もちろん、マイナスポイントがあると審査に絶対に通らないというわけではないので、まずはVISA SUPPORTに相談してみてください。
2018年10月9日
かんたんガイド!入国管理局への申請~その2
前回のブログに引き続き、入国管理局への各種申請です。
今回は、在留資格に直接かかわるというわけではないけれど、日本で暮らすために大切な申請を取り上げます。
就労資格証明書交付申請
「就労資格証明書」とは、就労可能な在留資格を持っている人に、「行うことができる就労活動」を証明する書類です。
例えば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持ってエンジニアとしてA会社で働いていた人が、B会社に転職するときに、B会社でもエンジニアとして働くことができるよ、ということを証明してもらう書類です。
「就労資格証明書」は、就職・転職するときに絶対に必要な書類というわけではありませんが、証明してもらうことにより、就職・転職をスムーズに行うことができ、また、資格外就労などのトラブルを未然に防ぐこともできます。
資格外活動許可申請
「永住者」や「日本人の配偶者等」など、「地位に着目して与えられる資格(どんな働き方でもできる資格)」以外の在留資格を持つ人は、原則として、在留資格で認められた活動しかできません。
しかし、「資格外活動許可」を得ることにより、在留資格で認められたこと以外の活動を行うことができるようになります。
「留学」「家族滞在」といった「働くことができない資格」を持つ人は、資格外活動許可を得ることにより、働くことができるようになります。
また、「技能」の資格で調理師をしている人が、副業として翻訳の仕事をすることができる場合などもあります。
入管法には「(本来の在留目的の)活動の遂行を阻害しない範囲内」と規定されているため、申請をしても許可が得られないこともありますし、許可を得られたとしても、通常、時間的な制限が設けられます。
「留学」や「家族滞在」の人に認められる資格外活動は、週28時間以内と制限されることがほとんどです。
再入国許可申請
在留資格を取得して日本で暮らしている外国人が、仕事や旅行、帰省などで日本から一時的に出国する場合、入国管理局に再入国の許可をしてもらうことになります。この許可を得なかった場合は、保有していた在留資格を失うことになってしまいます。
いままでは、出国のたびにこの「再入国許可申請」を行わなければならず、在留外国人のみなさんには負担が大きいものでした。
そこで、2012年に法律が改正され、「みなし再入国」という制度が設けられました。
この「みなし再入国」制度は、出国後1年以内(在留期限が1年未満の場合は、その期限内)に再入国する場合には、出国の際に「再入国出国用EDカード」の「みなし再入国による出国を希望します。」の項にチェックを入れるだけでよく、入国管理局に申請をしなくてよいというものです。
再入国が1年以上後になる場合は、今までどおり再入国許可申請が必要となります。
2018年10月5日
かんたんガイド!入国管理局への申請~その1
在留資格に関する手続きは、そのほとんどを入国管理局で行います。
在留資格を新たに取得したり、現在の在留資格の更新や変更をしたりするときには、入国管理局に申請をして、許可を得なければいけません。
在留資格認定証明書交付申請
外国に住んでいる人が日本に住みたい場合、在留資格が必要になります。
しかし、在留資格は、入国管理局が「その人が在留資格にあてはまるかどうか」を審査してOKを出さなければもらえないため、いきなり日本に来てももらえません。
そこで、あらかじめ入国管理局で審査をしてもらい、在留資格にあてはまることを認める書類(在留資格認定証明書)を交付してもらうことによって、空港や港でスムーズに在留資格をもらうことができます。
つまり、在留資格認定書交付申請とは、「外国に住んでいる人が在留資格にあてはまることを認める書類」を交付してもらうための申請です。
日本に住んでいる外国人が、外国に住んでいる家族を日本に呼び寄せるときや、日本の企業が、日本で働いてもらうために外国人を呼び寄せるときなどに行います。
在留期間更新許可申請
日本に在留資格を持って住んでいる人が、その在留期間を延長してもらうための申請です。
たとえば、在留資格「日本人の配偶者等(結婚ビザ)」で日本に住んでいる人が、引き続き「日本人の配偶者等」として日本に住み続けるために必要な申請です。
在留資格変更許可申請
日本に在留資格を持って住んでいる人が、在留資格を変更してもらうための申請です。
たとえば、在留資格「留学」で日本に住んでいた人が、卒業して、就職するために在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更する場合に必要な申請です。
在留資格取得許可申請
在留資格は、通常、外国人が日本に入国する際に与えられます。しかし、特殊な事情によって、日本に住んでいるにもかかわらず在留資格を有していないという状況になる場合があります。その際に在留資格を取得するための申請です。
例えば、日本国籍を離脱して外国籍になった人や、在留資格を持って日本に住んでいる外国人夫婦から生まれた子どもなどが、日本に住むために必要な申請です。
オーバーステイなど、不法・違法に日本に滞在している人が在留資格を取得するための申請ではないので、注意してください。
2018年9月25日
留学生は働くことができない?日本で生活するための条件とは
前回のブログに引き続き、在留資格の種類について書きます。
今回は、「働くことができない資格」と「特定活動」です。
「働くことができない資格」
「働くことができない資格」とは、日本に来る(日本で生活している)目的が、「働くこと」ではない資格です。
例えば、学校で勉強するためであれば「留学」という資格になります。日本にいる家族と一緒に暮らすためであれば「家族滞在」という資格になります。
以下5種類の在留資格があります。
「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」
「資格外活動許可」
「働くことができない資格」で日本にいる人たちは全く働くことができないのかというと、必ずしもそういうわけではありません。
留学生が生活費に充てるためのアルバイトが出来なかったり、家族滞在で在留している人が家計のためにパートをしたりすることが出来なかったりするのは不都合です。
そこで、「資格外活動許可」という制度が設けられています。
この「資格外活動許可」というものを入国管理局に出してもらうと、週28時間以内には限られますが、働くことができる場合があります。
この週28時間以内は、「どんな働き方でも」できます。
「特定活動」
ここまでに挙げた在留資格に該当しない活動を行う場合に、法務大臣が個々の外国人について特に指定して与えられる資格です。
典型的なものは「特定活動告示」として告示されており、例えばワーキングホリデーなどになります。
また、「特定活動告示」に定められていないものの「告示外特定活動」として、認められる事例もあります。
留学生が卒業後も就職活動を継続するとき、在留資格更新・変更申請が不許可となって在留期限になってしまい出国の準備をするときなど、過去に認定された事例が、先例として「特定活動」と指定することが適当と認められます。
「特定活動」の在留資格を与えられた場合、働くことができるかどうかは、活動内容により個別に判断されます。
2018年9月現在、入管法により規定されている「在留資格」は、前回と今回のブログでとりあげた28種類となっていますが、政府は、2019年4月をめどに、在留資格を大幅に拡大する方針を示しています。
拡大される在留資格は、「働くことができる資格」の、「決められた働き方だけができる資格」です。
報道によると、建設業や農業の分野で、学歴や実務経験を問わない在留資格が作られるのではないかと言われています。
このブログでも、新しい情報が出たら発信していきたいと思っています。