2019年10月15日
日本では、諸外国からの人材養成を受け入れており、本日から3回にわたってそのうちのいくつかをご説明させていただきます。
本日は、APEC人材養成パートナーシップ及びITSに関してご説明いたします。
1 APEC 人材養成パートナーシップについて
(1)目的
APEC 地域の持続的成長を図る上で人材養成が極めて重要であるとの観点から、人材養成協力の一つとして、高等教育と高等教育終了後、実務経験を修得するための一定年限の就職を組み合わせた人材養成計画(APEC Partnership for Education)を実施するもの。
(2)APEC 加盟国(地域)
ブルネイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、中国、韓国、香港、台湾、メキシコ、パプアニューギニア、チリ、ロシア、ペルー、ベトナム、日本(2019年2 月現在21か国・地域)
(3)対象者
APEC 加盟国(地域)の国籍を有する留学生で、我が国の大学等(大学、大学院、短大及び高等専門学校)を卒業(修了)後、実務修得を目的として2~3年の間就職を希望する者で本計画の対象となっているもの。
(注)3年を超えて就職しようとする者及びAPEC 加盟国(地域)以外の国籍を有する者は本計画の対象外である。
(4)滞在期間等
原則として3年を超える在留は認めない。
なお、在留資格変更許可に際して付与する在留資格は、法別表第1の2の表の在留資格の「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「技術・人文知識・国際業務」等行おうとする活動の態様にふさわしいものを選定すること。
2 ITS(International Technology Services)制度による入国者の取扱いについて
(1)経緯及び制度の目的
英国産業貿易省が推進する「プライオリティー・ジャパン」キャンペーンの一環として、英国企業で働く技術者80名を我が国に派遣し、生産管理等に関する知識を修得し、日英間の絆を強化する制度が創設され、我が国企業が英国人技術者を受け入れている。
同制度は、当初EJS(Engineers to Japan Scheme)として創設され、その後IBIS(International Business and Industrial Secondments)に、更に平成9年1月、ITS に名称変更された。
(2)対象者
英国技術連盟が工学の分野において修士号を取得した後数年、企業での経験を積んだ技術者を選抜する。
(3)活動内容等
英国企業の技術者を我が国企業又は企業等の研究所若しくは事業所等に6か月から1年間の予定で派遣し、研修並びに研究プロジェクト等での実習を通じ、生産管理等に関する知識の修得をする。
(4)滞在費等
英国政府及び派遣企業が日本での滞在費等をすべて負担する。
(5)付与する在留資格
ア ITS 研修生は、所属企業の身分を離れることなく、日本企業等に赴任して専門的業務に従事しつつ会社経営の実習を行うものでありその研修プログラムは我が国において就労活動に従事することを前提としているものである。したがって、これらの者の日本での活動は「研修」よりもむしろ社命による転勤により、日本企業等において業務に従事する活動として取り扱うことが相当である。
イ 一方、これらの者の身分は本国企業に所属しているところから長期出張業務に当たり、英国政府及び派遣企業から年額約1400万円の金銭を日本において収入として受ける。また、外国人本人と日本受入企業の間で本研修プログラムの下で行う業務についての契約を行うことは可能であり、当該契約が締結されている場合は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に係る活動に従事する者として取り扱うことが可能である。さらに、これらの者が日本で勤務する企業がその所属する本国企業との間に資本関係を有する場合は、「企業内転勤」として取り扱うことが可能である。
(6)その他
在留資格認定証明書交付申請があったときは、外国人本人の大学での卒業証明書を求めることを要しない。
以上、APEC人材養成パートナーシップ及びITSについてご説明させていただきました。
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